カンヌ旅行に当選したビーンが勇躍ユーロスターに乗車してフランスに行く道中を描いたコメディである。
ビーンのギャクはなかなか笑えないものが多いが、今回はソニーのハンディカムが大活躍する。物語の発端から終幕までの重要な役割を担っている。途中からはロードムービーになって女優の卵と、ロシアの少年との車による旅になる。車はフランスの中古車などではなく大英帝国が誇るミニの新車である。
カンヌでは映画祭が開かれているが、厳粛な雰囲気のわりにはカンヌの芸術志向を皮肉ったネタが出てくる。トラブルのさなか、ビーンがハンディカムで撮った映像が上映されると観客の大喝采を浴びることになる。この辺は良く出来ていて意外感があった。
フランスで冷笑されるイギリス人というのがサブテーマになっているが、最後は感動的な音楽と海辺の映像で幕を閉じる。フランス映画はともかく、英国人はフランスの音楽には敬意を表するらしい。