映画 ワンダーラスト (2008)

マドンナ脚本、監督の若者の葛藤を描いた映画である。バレリーナを目指すホーリー、ロック歌手を目指すウクライナ出身のアンドレ、アフリカでの奉仕活動を夢見るジュリエットがシェアハウスを拠点にロンドンの街で活躍する。

 最初から登場人物が世界観を語るし、警句の様なものが多い。全部マドンナが思っていることである。芸術映画の禁止事項として『登場人物に監督の思想を語らせてはいけない』があるが、これはまあそういう映画である。ムンバイ出身の薬剤師、盲目の老作家、ストリップ劇場の支配人などが個性的な脇役として出てきて一定の役割を果たしている。悪い人は出てこなかった。

 マドンナ独特の美意識と猥雑なセリフがこの映画を支配しているように思われた。