ETV特集 ロシアから見た日露戦争 〜兵士たちの手紙、日記が語る真実 (2004)

 まずサンクトペテルブルグに係留保存されている巡洋艦オーロラの実写映像が出てくる。この年の5月24日バルチック艦隊の将校、水兵たちの子孫が集まって日本海海戦記念式典が市内のどこかで行われていた。インタビュー映像がある。熊本で捕虜になっていた兵士の息子が出てくる。出席者の表情は和やかで明るい。

 モスクワにあるロシア国立アーカイブなどで今回公開された資料は5000枚を超える写真、兵士の手紙、日記などである。旅順に駐留していた海軍兵曹長ソブリンの日記が紹介されている。 《朝から日本軍の総攻撃が始まった。大きな被害が出ている。一体これはいつ終わるのであろうか。なんとつらく、なんと苦しいことだろう。》

 航海士ラリノーオフの日記である。 《バルチック艦隊は台湾の沖を進んでいる。艦長は疲れてイライラし私たちは皆苦しんでいる。》

 匿名の手紙がある。 《前線では私たちはいつも虐げられています。もうここでは誰も我が軍の勝利を信じてはいません。》

 サンクトペテルブルグ建都301年祭の映像が出てくる。軍楽隊の音楽と共に若い水兵らが元気に行進している。

ニコライ2世の日記がある。

《1月24日(西暦2月6日)寒さは強くなり零下13度まで下がってしまった。夜は劇場に行って芝居を見た。とても面白かった。その後日本との交渉が打ち切られたことを知らされた。》

 開戦は朝鮮の仁川での衝突だった。ロシアの巡洋艦ワリャーグの航海日誌がある。

《日本の駆逐艦が姿を現した。11時乗組員が甲板に集められた。ルードニフ艦長は次のように言った。今日日本海軍から通告を受けた。我々には降伏はありえない。最後の血の一滴まで戦わなければならない。》

 この後は省略するが、旅順攻略、奉天会戦日本海海戦と進んで、ポーツマス条約が結ばれる。その後ロシア革命が起こるのである。