映画 パリは燃えているか (1966)

 このディズニーの御伽話のような映画は史実なのだろうか。特にパリをすぐ破壊せよと言ったヒトラー総統の命令を無視して連合軍に投降したコルティッツ将軍や、いろんな将軍と師団が健在でドイツの敗色が確定し、連合軍がパリ入城する直前になってパリに入ったフランス軍等、なんだか眉唾のように思える。

 各所にドキュメンタリー映像も挿入され、ドゴールの姿も確認できたが、映画の物語の流れとしては、パリ在住のおそらく共産党レジスタンスが暗躍して、パリを迂回しようとしていた米軍を説得して、間一髪で人類の文化財が守られたということになっている。その一方真面目に抵抗したポーランドの方はワルシャワが徹底的に破壊され、パリは無事だったというのは一体どういうことだろうか。古い価値観ではフランスとドイツは親戚で、ヒトラーポーランドが部外者だったということか。

 いずれにせよこういう映画は歴史について考えさせるきっかけにはなるだろうと思う。特に注意すべきはフランスの狡猾さである。