映画 影武者 (1980)

  一視聴者として時代背景やら製作者の事は考えずに観る事にした。時代劇映画の最高峰かなと一瞬思ったが、どうやらそうでは無いようだ。能のようなシンプルな舞台と短い符丁のような会話など独特の演出方法が採られている。冷徹な史実でゴリゴリ押すのではなく、ウィットとユーモアと哲学が味わいを添えているが、感嘆するほど突き抜けたものではない。勇壮なマーチのような不思議な調性音楽も加わり、B級映画の雰囲気が醸し出される。

 渡辺俊雄アナと山本晋也監督の放映後の対談もあり、監督の蘊蓄が参考になった。