映画 バクダッド・カフェ (1987)

 晩年の淀川長治氏は大好きな温泉とステーキを楽しみながら、映画の新作を見ることがライフスタイルであったという。能天気に思えるがやっぱり映画はいいと思う。

 このバクダッド・カフェ、奇抜なオープニングだが、ドキュメンタリータッチで進行してゆく。カリフォルニアのモハーベ砂漠でカフェを経営する黒人家族に密着という感じだ。突然現れたドイツ人観光客のおばさんが店を手伝うようになり、カフェが劇的に変化する。途中官憲の介入があったりするが、結末はほっこりしたものとなる。

 カフェで繰り広げられるマジックショーは、音楽からして一流のものだった。才能豊かな作り手の存在がものをいうのである。

 謹告 昔のNHK紅白歌合戦(1971年)の復刻版が来たる12月14日、15日にBSで放映されます。お見逃しなく。