映画 山椒大夫 (1954)

 説話物語を平安絵巻風に再現した作品だが、映像も音楽も美しく、キャストも大変見栄えがするので、外国にも受け入れられやすいと思うし実際に高評価を得ている(ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞)。

 テーマとして盗賊の跋扈、治外法権的な荘園、人身売買といった社会の矛盾を取り上げているが、脚色のせいで理想主義的な匂いがあり、本来の説話の趣旨からは少々逸脱している感があった。

 これをみてから芥川の芋粥を読んだが、この話もビジュアル的になかなかいいので、映像で見てみたいものだ。まあこれは無いので、次は羅生門を見ようと思う。