ラブクラフト全集第4巻 (1)

第4巻に進んでゆく。この二つの話は第3巻の『時間からの影(1934)』と同様に宇宙からの侵入者が主題であるが、謎に包まれている度合いが高く、被害者以外の人間があまりタッチできていない。関係者も読者も置いてけぼりである。情景が色彩的で今までの話と比べ美しい部分もあるといえる。

宇宙からの色 (1927)

 実際に魔女裁判のあったアーカムに近い農場に落ちてきた光る隕石が元で、不気味で恐ろしいことが時系列的に起こってくる。科学者達も何も解明できず、農場がゆっくりと滅びてゆくところが怖い。近くに住むアミという人物が、その様子を詳しく目撃していて、近隣住民が口を閉ざす中、アミが主人公に一部始終を語ってくれたことが記されている。

眠りの壁の彼方(1919)

 1901年に42歳で精神病院で死んだジョー・スレイターの話で、担当医だった精神科医がその概要を記している。話を聴き取るだけでなく、患者のテレパシーを自分の脳で受信する装置を使って実験を行ったという。ジョーの死後に新星が現れたという記事とこの事件との間に何か関係があるのかもしれないが、本文を読んだところではよくわからなかった。精神科医は上司に報告後、長期休暇を取らされている。