ラブクラフト全集第4巻 (4)

狂気の山脈にて (1931)

 これはある南極探検隊が地層の調査を行いつつ偶然見つけ出した洞窟から、巨大な建造物の廃墟と数体の凍った生物を発見したことで起こった悲劇を記した中編小説である。

 その生物は簡単に言うと地球外生命体なのだが、二百万年前にこの巨大な石でできた建造物を作り繁栄していて、その後気候変動により滅びてしまったらしい。ところが解凍されたこの生物が生き返って、先遣隊を全滅させる。高度な知能を持っているのか隊員と一匹の犬を解剖した痕跡を残して去っていた。

 二次隊がこの有様を見て驚きながらも探検を続け、洞窟の中でさまざまな事物を発見し、最後は追われながらも無事生還し、この一部始終を記したのがこの小説のあらましである。

 なかなかの傑作で単にストレートな恐怖だけではなく、シュールな笑いと意外性があるように思った。