日本奥地紀行 (1880)

 イザベラ・バード女史が1878年に東京から蝦夷まで通訳と旅行し、人々と土地の様子を克明に記した旅行記である。東洋文庫ではなくこちらを読んだ。

 整備された街道はわざと避け、山道を選んで通ったので大雨に苦労している。調査が目的なので住民の暮らし、家屋、衣類、作物、植生が詳しく記録されている。地方では米沢の町がよく整備されていて、彼女によると桃源郷と表現されている。蝦夷ではアイヌの暮らしから家の構造、衣類、食べ物、統治、宗教観まで聞き出そうとする。イヨマンテの様子、民族楽器(トンコリムックリ)、義経神社が記述されている。淋しい地の果てを彼女が馬で往く描写もいい。