2025-11-23 堺誠一郎著 キナバルの民 (1943) 本 大日本帝国軍政下の北ボルネオに報道員として派遣された著者が、カメラマンと共にケニンガウからゼッセルトンまでの240kmの山道を馬を使って踏破した記録である。途中の村や町の様子、日本人による統治の様子が描かれている。写真付きであることは資料として価値があると思う。 勿論軍部批判は御法度であるがジャーナリストとして見たままの事物を描こうとしており、決して賛美はするまいと思っているのだろう。本文は真面目なものだったが、当時の諸事情を解説した井伏鱒二の文章が巻末についており、なかなか辛辣で面白かった。