第三巻にはダレイオスの最期が描かれている。以下引用文。
『アレクサンドロス自身は午後も遅くなってから出発すると、手勢をひきいて全速力で急行した。夜のあいだに四百スタディアの道程を踏破した彼は、ちょうど夜が明けそめるころ、隊列を乱し武器武具もなしで先を行く夷狄の一行に追いついた。彼らのうちには、我が身を護ろうと身がまえた者も多くはいなかった。大方の連中はアレクサンドロスその人の姿を認めるが早いか、白兵の接戦に入るのも待たず、いち早く逃げ散ってしまった。自衛に立ち向かった者たちも仲間の幾人かが斃れると、これまた遁走してしまった。ベッソスとその一党はその間なおしばらく、ダレイオスを自分たちと一緒に、何とか箱馬車で連行しようと力めたが、アレクサンドロスがもはやすぐそこまでせまったとなると、サティバルザネスとバルサエンティスとはダレイオスに傷を負わせ、その場に彼を置き去りにしたまま、自分たちは六百騎の騎兵とともに逃げ去ってしまった。ダレイオスはその後まもなく深傷のために、アレクサンドロスの姿を見ることなく死んだ。』
ダレイオスは惰弱の王と書かれている。即位したと思ったらこのような目に遭ったのである。アジアを制覇できても維持するのは大変ということだ。