BSドキュメンタリー 希望と絶望のティファナ (2017)

  国境の町ティファナに中南米から移民希望者が集結している。トランプの大統領就任が拍車をかけている。教会やボランティアが運営するシェルターが有るがとても間に合わない。シェルターをあふれた人達がテントで暮らしている。ホンジュラスから着いたばかりの二人組がいる。ウーゴという人物が電話をかけまくって空いているシェルターを見つけてくれた。ウーゴ氏は地元で暮らしているメキシコ系アメリカ人である。祖父の代にアメリカに移住した。ウーゴ氏はマルタ一家を訪問する。メキシコ南部にいたマルタ一家は麻薬犯罪組織がはびこる町を捨てここにやって来た。難民申請中である。夫のルイスは滞在費を稼ぐためコインランドリーで働いている。 ある日マルタが部屋に帰ると部屋が荒らされていた。現金と旅行カバンが盗まれていた。警察は現行犯以外は逮捕してくれない。

  国境には二重の壁があり警備隊が見回っている。70万円で国境越えを助ける業者がいる。お金の無い人は自力で越えようとする。最近ハイチからの流入が急増している。山間部のシェルターに彼らが入っている。水と食料が不足しているが援助が得られていない。市も対策に乗り出すが予算が十分でないと言う。二人の青年が死の谷を降りて行った。ウーゴ氏は留まるよう助言したが行ってしまう。その後強制送還された。ロドリゴ一家は犯罪組織から金を要求され国境まで逃げて来たという。弁護士が無料相談に乗る。国境を超えても拘束される可能性があるという。

  マルタ一家がシェルターから退去を食らった。長期の人は出て行くことになるのである。雨の深夜を狙って排水溝から国境を越えようとする一団がある。ノルマ一家である。ビニール袋をかぶって排水溝に入って行った。どうなったのかはわからない。

   このドキュメンタリーも力作だがこの問題を扱った映画もすでにある。闇の列車、光の旅ではより具体的な状況が描かれている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

FNS ドキュメンタリー ロシア娘に愛を込めて (2014)

  神奈川在住の元大学教授S氏(65)は7年前にナターシャさん(33)と見合い結婚しすでに二児がいる。幸せそうである。有料のお見合いサイトA Russian Beauty の会による仲介である。代表の山口氏は元商社マンである。1999年にこの会を立ち上げている。地方都市のナーベレジヌイェ・チェルヌイに事務所があり入会希望者を集めている。50人ほどの女性が入会している。


  岩手在住の公務員K氏(33)がイリーナさん(28)と見合いをする。電子メールによる文通を重ねた後来日し数日間同居するというシステムである。ボーリングをしたりスキーをしたりして休日を楽しんで帰って行った。イリーナさんは悩んだ末プロポーズをOKする。

  茨城在住の不動産経営のO氏(66)はディナーラさん(28)と見合いする。氏は9000万円の豪邸に住みいくつかの賃貸物件を所有している。ロシア人と結婚し男の子を産んでもらい財産を相続させたいと希望している。事故で片脚を失っており独特の人生哲学を有している。今回の見合いではそれが裏目に出てプロポーズを断られた。ディナーラさんは布団を敷かされたり台所の掃除をさせられたりして内心激怒していたようだ。

  こういう密着取材がドキュメンタリーとして成立しているのかどうかには疑問がある。これは同社のプロモーションビデオとも言えるのである。 尚同社のホームページにはO氏が昨年の2月にウズベキスタン出身の30歳の美女と結婚した様子が動画でアップされている。


 

 

FNSドキュメンタリー 京大卒34歳ニート (2014)

  PHA氏の密着ドキュメンタリー。氏は大学卒業後就職するが三年で辞める。今の収入はネットの原稿料、広告料、不定期のバイトで月8万円という。都内のシェアハウスに住み仲間と肉パーティーをやる。檜原村のへんぼり堂に仲間と訪れる。素泊まり一泊三千円のゲストハウスである。食材を持ち込み鍋料理をつつく。

  ある日ブログの欲しい物リストに書いておいたカセットコンロが送られてくる。年の瀬になりPHA氏は別荘へと向かう。乗り放題切符で途中下車しながらの旅である。三島で立ち食いのコロッケそばを食べ焼津で足湯に入り名古屋のビジネスホテルに泊まる。翌日の夜熊野川町のシェア別荘に到着する。ここは伊藤氏が空き家をボランティアを使って改装したものでPHA氏も手伝っている。滞在中伊藤氏らと熊野川町の小口農協の物件を調べる。ここを掃除してシェアオフィスにする計画である。又NPO法人共育学舎の三枝氏を訪ねる。ここは引きこもりの人を無料で受け入れて農業体験をさせる施設である。

  大晦日は集まった仲間達と焚き火をして年を越した。35歳になったPHA氏はニートを卒業すると宣言した。

  彼は元よりニートでは無い。学問を修めたのち人と張り合うのを止めたのであって列子に出てくる林類とは事情が異なっている。社会の抜け道を探すため頭脳をフル回転させている様に見える。

 

 

 

 

映画 ブロンコ・ビリー (1980)

  移動しながらテントで興行を打つ西部劇の一座のお話である。座長で興行主のブロンコ・ビリー(クリント・イーストウッド)は西部一の早撃ち、といってもベトナム戦争をやっている頃の現代の話だから一般からは時代錯誤とみられている。田舎の少年たちがヒーローとして騒いでくれる程度であり興行成績は赤字である。団員たちも無給で働いており不満が募っている。

  ところがある時興行中に事故がありアシスタントの女性がやめてしまう。そこへ偶々新婚旅行できたリリー(ソンドラ・ロック)がそのつもりは無いのにアシスタントとして雇われる。夫は詐欺師でメキシコ方面に遁走してしまったという事情がある。ブロンドの超絶美人のリリーはしばらく団の一員として働いていたが悪いことが立て続けに起こることから団員たちから厄病神と言われるようになる。テントも燃えてしまった。ビリーとリリーの仲も最初は険悪だったがリリーは男らしくて人望もあるビリーの事を好きになっていったようだ。慰問先の精神病院に滞在中二人は結ばれる。

  だがリリーは夫に殺された妻として報道されておりリリーの素性がばれるとFBIが動き出す。結局これでリリーはニューヨークに戻り、団員とビリーは逮捕を恐れて逃亡する。しばらく潜伏していたが精神病院の患者達が作ったテントで再び興行を打つ。その初日にリリーが駆けつけてハッピーエンドになる。

  寓話のような変な仕掛けはなく普通のヒーロー物だが若干のペーソスと大人の夢が詰まっている作品だ。

 

 


映画 8月の家族たち (2013)

  女系家族賛美の映画である。オクラホマ州の片田舎の夏はクソ暑いらしい。元教師で詩人のぺバリーは引退して本に囲まれ酒を飲んで暮らしていた。T.S.エリオットが好きで釣りが趣味らしい。妻のバイオレットは娘を三人育てたが地元で暮らしているのは次女のアイビーのみである。このなんでも罵倒する妻はまず夫のぺバリーを罵倒する。夫は家事と病院の送り迎えのために家政婦を雇ったが彼女がネイティブアメリカンなのが気に入らないようだ。
  或る日夫は予定の行動なのか失踪してしまう。その後自殺と判明する。家族が招集され広い家に集まった。長女のバーバラには反抗期の娘と別居中の夫がいる。バイオレットは彼女が故郷を出て行った事を責め夫と不仲の事も責める。だがバーバラも母親の気質を受け継いでいるようで子育ての事やらで夫を罵倒する。今回夫からお前は肛門の中のペインだと言い返されてしまう。どうやら仲は修復不可能らしい。  

  三女のカレンは婚約者を連れてきた。結婚してフロリダに住むのだという。相手の男性はいかがわしい男のようである。母がすぐ見抜いて質問攻めにして罵倒する。この男は長女の娘ジーンに手を出そうとして袋叩きにされた。
  次女のアイビーは今回の騒動を機に母親を捨て、いとこのチャールズとNYに行くつもりでいる。チャールズは産みの母からいつも罵倒され今回も葬儀に遅れてきた。仕事もクビになっている。バイオレットからルーザーと認定されている。バイオレットは娘との結婚は論外と思っている。二人の関係が知られるとチャールズの秘密が明かされた。彼は不倫によってできたぺバリーの子なのである。

  オクラホマはビーフが存分に食べられるし住み良いところだと思うが女達は何も無い平原だと言う。ここに住む人々はそこそこ裕福でありそこそこ退廃しているが男達は良識的で優しい。