2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

フォークナー 八月の光 (8)

バイロン・バンチについてはこのような記述がある。 《バンチが住む下宿のおかみのビアド夫人が知っていることといえば、土曜日ごとに六時すこし過ぎるとバンチがはいってきてバスを浴び、いまは古びてきた安サージの服に着かえる、夕食を食べ、家の裏に行っ…

フォークナー 八月の光 (7)

バーデン女史とジョー・クリスマスの関係は一風変わっている。奔放な性的関係が過ぎ去った後、バーデン女史はクリスマスを大学に行かせ、自分の事業の後継者にしようとする。相手の意向もお構いなく有無を言わさないやり方は、当然ながらクリスマスに最大限…

東洋文庫 白凡逸志 金九自叙伝 (1947)

本書は 亡命中の金九が上海と重慶で執筆した自叙伝である。当時金九は大韓民国臨時政府主席であったという。このような記述がある。 《安進士は、海州府中に十余代もつづいた旧家の出だった。進士の父の仁寿は、鎮海県(慶尚道)の県監(長官)を勤めたが、…

フォークナー 八月の光 (6)

ジョーの逃亡生活のあらましが語られる。そしてジェファーソンにやって来たジョーはバーデン屋敷に住むバーデン女史を見出すのである。独特の嗅覚で年上の女性に接近し取り入るのが得意のようだ。イタリア系に見られるジョーはアルパチーノのような色男と想…

GaN FETアンプ

絶対壊れないSic MOSの調整中。 今日はGaN FET を二個壊してしまった。 バイアス遅延回路、過電流保護回路、サーミスタ手動予熱を以ってしても±50V電源ではエネルギーが大きいのか起動に失敗した。保護回路が作動して終段石が一個壊れる。もうリファレンスは…

準レファレンス機をダイレクトに作る(3)

両ch作り上げた。が、残念ながら動作には至らなかった。無帰還で発振するという不可解な現象が現れた。 このサイズにまとめるのは難しいようだ。今度はSiC、GaNの方面に行く。

準レファレンス機をダイレクトに作る(2)

回路図と基板図を示す。終段石はアマゾンで買うことができる。 アイドリング111mA、オフセット7.5mV 特性を取っておく。

フォークナー 八月の光 (5)

ジョー・マッケカン(クリスマス)の成長過程が描かれている。 《彼ら五人は夕暮れの中で、捨てられた製材小屋の近くにひっそり集まっていて、そのひしゃげた戸口から百ヤードほど離れたあたりに隠れて、見張りながら待っていると、黒人の娘がその戸口に近よ…

準レファレンス機をダイレクトに作る(1)

部品を集めたところ。 まる一日かけてここまで来た。日立のMOS FETでアンプを作る。

直熱三極管放浪記(10)

回路図と特性を示す。設計どおりのプレート電流が得られている。リプルフィルターを追加した。 補足するとプレート負荷が330kΩで、出力の負荷が49kΩである。 いろんなアンプと組み合わせて楽しんでいる。

直熱三極管放浪記(9)

プリアンプを作ることにした。 電源のことを考えるとこの様な負荷になる。+45V、ー15Vの電源をDCーDCコンバーターで用意する。 集めた部品 組み立てた LEDの点灯テスト

準リファレンス機への昇格(10)

2016年に作ったオリジナル基板をリフォームした。 改造前 改造後 回路も若干変化している。 この手の基板が二つになった。 試聴後大変良かったのでミューティング回路も搭載した。 オフセットは優秀。DCサーボ不要である。 印象では明らかにSiC MOS のSEPPよ…

東洋文庫 日本お伽集 1 (1920)

小説風なので文章を例示する。大変素朴で面白い。 浦島太郎 《二、三日たってから、浦島は舟に乗って海に出かけました。遠い沖へこぎ出して、一心におさかなを釣っていますと、後ろの方で、 「浦島さん、浦島さん。」 と呼ぶこえがします。「おや、誰だろう…

準リファレンス機への昇格(9)

この回路は意外と発振しやすいのだと思う。いろいろ模索してみると定電流ダイオードが高抵抗で置き換えられることがわかった。 ダイオード 抵抗 このような回路になる。 先ほどの東芝の石で動作を確認する。 まあまあの結果が得られている。

フォークナー 八月の光 (4)

リーナがやって来た日に起こった大事件、猟奇殺人事件と放火についての概要はわかったが、犯人についてはまだ明示されてはいない。虚言癖のあるブラウンか、カミソリをいつも所持しているクリスマスなのか。 すると突然にクリスマスの生い立ちが詳述される。…

準リファレンス機への昇格(8)

歪みの原因は丸一日費やしてもわからなかったので気分転換にK405、J115フォトアンプを調整して聴いてみる。これもA4シリーズの埋もれた一つであるが傑作のような気もする。調整に当たってはLED照明スイッチの配置を一段ずらしたり、スイッチ効きが甘くなって…

準リファレンス機への昇格(7)

SONYのMOS FETが復活したので上條式CS回路の基板を新調した。 バイアス電圧の生成を確認する。 終段を接続して動作を確認する。うっかり逆接することがあるが保護回路が作動する。 特性を調べる。 リファレンスシステムで音を確認する。なんか音がおかしい。…

フォークナー 八月の光 (3)

バイロン・バンチは30過ぎの男で七年前から製板工場で働いている。そこにある日、バーデン屋敷の火事のあった日、リーナが訪ねてきて会話をした。リーナはすぐにこの男ではないと悟ったが、バイロンはリーナの探している男がクリスマスの相棒のブラウンだと…

東洋文庫 朝鮮独立運動の血史 1 (1920)

東学党の乱についての記述がある。 《こうして、わずかな間に、京畿、江原、黄海、慶尚の諸道に蔓延し、その勢は燎原の火のようであった。全州域を攻略した時、「ソウルに兵をすすめ、君側の奸を除こう」と声明した。 朝廷は、おどろきおそれ、清国に救援を…

直熱三極管放浪記(8)

Nutube IIIとNutube IV を立て続けに作ったがどちらも両ch動作させると発振した。発振対策は効を奏さず枕を並べての討ち死にである。こういう事もあるだろう。 特性は取れたので示しておく。

フォークナー 八月の光 (2)

この町の製板工場でのエピソードが語られる。語り手はバイロン・バンチである。三年前にフラリとやってきたクリスマスという男について観相学的に語っている。 《靴は埃だらけだしズボンは汚れていた。しかしズボンは質のいいサージで筋もきちんとついており…

直熱三極管放浪記(7)

作り続けてパワーアンプ部の特性を取った。アイドリング60mA、オフセット2mVである。 さらに作り続けて両ch完成させた。両chともオフセットは優秀である。 音を聴いてみたが派手さのないナチュラルな印象だ。

フォークナー 八月の光 (1)

いよいよフォークナーの小説を読む。新潮文庫版である。 P43までは4週間にわたるリーナの旅である。アラバマから架空の町ジェファーソンまで歩きと馬車で踏破する。途中親切な一家に泊めてもらい路銀まで貰っている。誰もが他人を信用していない世界で、頼り…

準リファレンス機への昇格(6)

SiC MOS FETの音質の確認のために±43Vに対応するよう改造した。元々はGaN FET用のアンプであるが、どちらにも使えるようになっている。 とても華やかで力のある音がする。高級オーディオに採用されても不思議ではないのだが、市販品はいまだに見かけない。電…

東洋文庫 沖縄童謡集 (1934)

本書は那覇市立高女の生徒たちが課題として夏季休暇に蒐集した郷土の童謡を先生が整理編集したものである。一部を紹介する。 《37 烏 其の二 イエー、がらさー まーかいが。 わつたーあんまー(阿母) みーめー(見舞)しいが。》 《51 蜻蛉 其の1 ざーちが…

小説 天北原野 (12)

敗戦の混乱と失意を経て孝介と貴乃がエゾカンゾウの咲き誇る原野に立っている。 《オレンジ色の花群が、道の左右に、遥か彼方の地平線まで、敷きつめたように続いていた。その果てしないエゾカンゾウの大群落を眺めながら、二人は言葉もなかった。 しばらく…