本
読み始めている。僕らの子供の頃は無かった本だ。 結構引き込まれるところがある。一面の真理をついているという評判の本なので楽しみだ。
読了した。こう言い切ってしまうと何だけど、まあその通りだなと思う。著者は広い交友関係からの事例、長い読書歴からくるしみじみとした文章を題材に説いてゆくのである。それを読んで感心するのも良いが、読む方もかなりの読書量がないと、これに対峙でき…
読書しているので一部を要約しておいた。 紀元二世紀に景行天皇(オシロワケ)は大陸からの移民急増に危機感を抱き、オオタタネコに伝承されているホツマ物語をオシテ文字で文書にするよう命じた。それは紀元127年に40章からなる文書として完成した(ホツマ…
ニュース記事、文書、インタビューを駆使して国の中枢が何をやっているかを解明しようとした良書である。読んでゆくと戦前の政府のやり方を踏襲しているだけのようにも思えるが、政治家の質は昔の方が良かったのではないだろうか。 本文を一部紹介する。 『…
本書は中支被害者連合会が中心となって昭和2年に出版された事件の記録である。ある事件が起こった場合、ジャーナリストの取材、当局の発表は信用ならないことは皆さんもわりとご存じのことと思う。事件の当事者が体験し、目撃したそのままを記録した本書は、…
気になっていたので調査した。古本を取り寄せるとちょうどその部分が載っている。 結局このイラストを見て、妻籠、馬籠のルートを行ったものと私が勘違いしていたことになる。CGを 読んでみても、単行本の記述と同じで、探検隊は飛騨高山の方へ向かったので…
カーグラフィックの読者だった頃に興味深く読んでいたのでいつか単行本で読もうと思っていた。つい最近 読了した。 記憶が曖昧だがこの探検隊は馬籠のあたりをうろうろしていたような気がするのだが、本書にはそういう記事は無かった。 CGの古本で確かめるし…
読了した。壇ノ浦での安徳天皇入水からが長く、六代と呼ばれる子孫がそれぞれ首を刎ねられるまでの顛末が語られる。建礼門院は大原で天寿を全うした。 この本は入手が難しいが電子テキストなら読むことができる。語彙が素晴らしく豊富で、日本文学の最高傑作…
角川ソフィア文庫の上巻を入手した。 これはこれで随分読みやすいと思うが、流布本を底本とするので琵琶法師の語りの口調が少々仰々しいと感じたりする。 1593年に不干ファビアンが書いた天草版平家物語の漢字仮名版があるが、これはこの頃の普通の会話文の…
この本は短編集になっており後残すところ3編ある。 光陰 今回は主人公が庄内平野の大山というところにいる。大山公園の近くに下宿して何やらぶらぶらしているのである。大山公園からは鶴岡市が一望でき、彼方に鳥海山が見える。狭い廊下を隔てた三畳の間には…
この本は結構分厚いので読み応えがある。これを終えたら平家物語を読んでみたくなった。 天沼 映画では主人公は春の訪れと共に注連寺を去っていったが、小説では友人が帰っただけで主人公はまだ残っている。天沼は雪の中を山小屋に向かって荷を運ぶじいさん…
深沢七郎を一冊読んで、まあこれでいいかと思ったので次の本に行く。森敦『月山』を文春文庫の新品で入手した。『鳥海山』も併録されている。 昔僕が仙台から天童を通り銀山温泉までドライブした時に、左手の方向に月山はその姿を現していた。山形が舞台の映…
中公文庫で見つかったので入手してみると、2017年改版発行とある。今でもファンが多いのか、新品でゆっくり読めるのはありがたい。ギター独奏のCDも出ているがこれは中古品でも入手は難しいだろう。他の方法で聴いてみたが名人芸というほどではなかった。僕…
自身の人生を概観したような著書であるが、ユニークな言葉が散りばめられた令和の名著である。 小椋氏は若い頃から真実を追求し、言葉を磨き続けたクリエーターだけに、その視点は真実を見通しているし、紡ぎ出される言葉に嘘はない。文筆家は書く量が多いの…
ほぼ毎日読んでは頭にすっと入るかどうかを基準に進んでいる。やっと静止系に対し速度vで運動している慣性系での剛体の長さlがどの様に短縮するか、その式を計測に使われる時計の定義と光速度不変の物理学的事実から導くところまでがわかってきた。ニュート…
物理学や数学は頭の中で処理が終わらないとわかったとは言えないので、この本も時間がかかる。サラッと書いてあることでも相当に難しいので、すっと理解できるところまで行くには数十時間かかるような気がするのである。ひょっとするとこの本で一生が終わる…
今頃になって相対性理論を読んでいるのもおかしいが、この本で取り上げている論文は『動いている物体の電気力学』だけであるので何となく敷居が低そうだ。 運動学、力学だけの世界に電気・磁気が絡んでくると、ついには相対性理論まで行ってしまうのかと思う…
著者が最高裁の調査官になった時の仕事について語られている。とても面白いので紹介する。 《ーー具体的な仕事の内容はどういったものですか。 木谷 やり方は、週に一遍、その一週間に提出された上告趣意を読みながら事件を「選別」する日があるんです。それ…
本書が単行本で出たのが2013年のことで、著者の木谷明氏75歳の時である。最近Eテレで姿を拝見したので2020年3月に出た文庫を購入した。テレビでこう言っていた。 「神様と被告人以外は本当の事を知らない。法廷の中にいる人の中で真実を知っているのは被告人…
結局ユグルタの数々の不法行為がローマ人の怒りを買う事になり、両国は全面衝突する事になる。ローマ側からはメッテルス、次にマリウスという勇敢な将軍が送り込まれ、ユグルタを追い詰め、最後は捕獲する。攻略した町は多数で、機略に富んだ面白い戦闘も書…
ユグルタの査問の場面は何度読んでも面白い。少しだけ引用しておこう。 《このようにしてユグルタは王の威厳に反して、精一杯憐れみをそそる身なりで、カシウスとともにローマにやって来た。そして彼自身には大いに自信があったのではあるが、例のあの人全員…
ヌミダエ人の由来についてサルスティウスによる解説がある。かいつまんで言うと船でイベリア半島に渡ってきたペルシア人がアフリカに出て行き、現地人と混血しながら東進し、カルタゴと接するところまで来たのがヌミディア王国なのである。 さてその後どうな…
もう一人の息子アドヘルバルは属州に逃げ込んだのちローマへ向かった。一方ユグルタはというと。 《そこで数日の後、莫大な金銀を携えた使者たちをローマに派遣し、彼らに次のような指示を与えた。まず旧い友人たちを贈物で堪能させ、ついで新たな友を手に入…
いよいよ本題に入って行くのだが筆の勢いが凄かった。当事者しか知り得ないようなやりとり、一字一句写し取られたような演説、湧き上がる恐怖心などが描かれている。ユグルタ及び買収されたローマ側の高官たちは随分あくどいことをやったものだ。だがそうい…
《私が書こうとしているのは、ローマ人民がヌミダエ人たちの王ユグルタとの間に起こした戦争である。(略)》 この後は言うほど明快な文章でなかったので、少し要約してみる。 背景として、著者はローマにおける門閥貴族の悪行、第二次ポエニ戦争の戦後処理…
日本に生まれれば岩波文庫は小学生の頃から目にするだろうが、長いし読んでもわからないような本である。高校生くらいには読めるようになるだろうが、その頃はもう時間が割けなくなる。大学生の頃読めばよかったとは思うが、もっと読みやすい本多勝一や西村…
正直に冒頭に書いてしまったので、この後は手を替え品を替え同じような事を論述しているに過ぎない。比喩を用いたり、逆説風に論じたり、言葉を変えたり、時にはプラトンやデカルトを引用し、ある部分ではソフィストの言辞を批判しているように見えるのだが…
改めて冒頭の部分を読んでみる。(P67) 《「というのも、『存在する』という表現をつかう場合、じぶんたちがそもそもなにを意味しているのか、きみたちのほうがやはり、ずっとまえからよく知っているのはあきらかだからだ。私たちの側はどうかといえば、以…
方法論としての現象学を調べて行くとフッサールの主張は対象への接近度と観察者の直観を重視しているように見受けられる。データを取る対象を近代的視点から記述して行くと確かに失われれてしまうものが多くなる。人類学研究の理想は部族の一員になりきって…
この表題からは科学論文みたいに2ページくらいにならないのかという疑問が湧いてくる。哲学は自然科学ではないのだろうか。今の私には考える時間は青天井くらいに存在する。まだ読む前だが、ハイデガーの主張は結局ソクラテスのメノンに戻るだけだったらがっ…