映画
冒頭でカウボーイたちの働く姿が出てきて、のんびりしているが野営したりと過酷な仕事の様子が描かれる。主人公は50前の初老のカウボーイでウィル・ペニーという。地味な容貌なので主人公とわかるまで時間がかかった。後でタフガイのチャールストン・ヘスト…
小説を読みながら映画をもう一度見た。なるほどこれでは小説をすぐ発表できない事情があるなとわかる。法を犯している村人を密告するわけにはいかないのである。小説でいとこ煮が出てくるが、映画では接写がなくよくわからなかった。後で調べるとどうやら小…
孫文、イギリス海軍、女王陛下というワードが出てくる割には、歴史とはほぼ無関係のただの京劇風の喜劇だったのである。主役のマー隊長が所属する水上警察は海賊を取り締まる役目の組織だが、予算の関係で海賊にやられっぱなしの状況にある。また町の有力者…
007ドクター・ノオのような雰囲気を持つカンフー映画である。音楽もそのような感じだし、米国人も多く出てくる。ブルース・リーが秘密の島に乗り込んで内偵するというのはスパイ映画のようであり、三年に一度の武術大会に出るというのは、後のドラゴンボール…
中世の村っぽいフランスのある村に、北風と共にやってきた母娘が巻き起こす騒動を描いたものである。伯爵はいるけれど村長だし、海賊もやってくるが紳士的である。主人公のヴィアンヌは薬剤師の父とマヤ文明の末裔の母から受け継いだ秘伝のチョコを広めるた…
このディズニーの御伽話のような映画は史実なのだろうか。特にパリをすぐ破壊せよと言ったヒトラー総統の命令を無視して連合軍に投降したコルティッツ将軍や、いろんな将軍と師団が健在でドイツの敗色が確定し、連合軍がパリ入城する直前になってパリに入っ…
文化先進国カナダでの理想の看取り方が描かれている。キーパースンは息子のセバスチャンで、看取られるのは元大学教授のレミである。レミは末期の癌で治癒は絶望的だが、まだわりと元気である。妻の要請でセバスチャンがロンドンから帰国する。金持ちでやり…
米国の軍艦サンパブロ号が長沙に停泊中に中国の情勢が悪化し、自国民を保護する任務につくという話である。情勢が悪化する前は水兵たちは酒場で女を買ったりしていたが、国民党軍がやってきて煽動された民衆による排斥運動が起こるのである。サンパブロ号も…
この映画は見終わった後に、〜という夢を見たという結語が来て、やっとしっくりくるのでは無いだろうか。それほどこの主人公Jの大暴れぶりは度を超えている。 無法地帯と言われるマルセイユとパリを舞台に、ジョルダン警視がフランス最大の麻薬組織のボス、…
見たままの映画である。明日山へいくという話が持ち上がったとき、もしやこのタイトルの意味するところは遭難では?と思ったがその通りだった。愁いを含んだ貴公子篠田三郎と美人の関根恵子が主人公である。伴淳三郎のいつものお父さん役はぴったりで揺るが…
冒頭の寸劇で、モンタナの牧場での練習風景がでてきて、これから主人公のボーがロデオ大会に出場するのだという。育ての親のような男ヴァージルがボーに同行する。事の発端はヴァージルがボーに対してこの旅行で女を見つけろと言ったことである。 長距離バス…
仕事の少ない酒浸りの弁護士を演じるのがポールニューマンで、彼がやりたいようにやるという話だった。まず仲間の弁護士のアドバイスを無視し、クライアントの意向も聞かず、相手側からの好条件の示談を蹴って、公判へと突き進んだのである。 勝算はあるよう…
これは主演のトム・クルーズも思い出したくない作品だろうと思う。セリフが全部説明的だし、特に女性のセリフに説得力がない。主人公が行く先々で、セックスする相手が現れるというのも、村上春樹の小説のようで嫌である。 これも1988年の映画で、お金と女性…
80年代NYのウォール街で働く女性の物語で業務内容は証券、裁定取引、M&Aと時代の先端を行くものである。主題歌は聞き覚えがあると思ったら、カーリー・サイモンの「ステップ・バイ・ステップ」で、日本では島田歌穂がカバーで歌っていた。 主人公のテス(メ…
見終わったので思い返しながら印象を述べてみる。ヘプバーンの演技に気合が入っている割に、ケーリー・グラントの冷静な演技がミスマッチで、年の差もありお似合いのカップルには最後まで見れなかった。若くて魅力的なヘプバーンの方が、グイグイと中年男に…
原作がフォークナーの小説ということで、セリフがとても饒舌な感じがする。普通の映画ドラマのものとは異質である。 主人公の飛行士ロジャーはかつては第一次大戦で活躍したが、今は航空ショーに出て生計を立てている。美人の妻ラヴァーンと彼女に片想いして…
南北戦争で登場した史上初となる北軍黒人部隊の誕生から壊滅までを、優雅なタッチで描いた映画である。 指揮官のショー大佐は心優しい青年であり、部隊の訓練や備品の調達を統括したり、前線で指揮を執るという仕事までこなすのはやはり負担が大きすぎたわけ…
ランダムに映画を10本観ると良いのは2本くらいで残りはカスのようなものという説があるが、そう思うとちょい気が楽である。若い頃なら良いが、優れた映画ばかり集めて観て行くのも疲れるのである。この映画はその2本に入るものだろうし、ハリウッド映画の最…
元の小説がいいし、制作陣も俳優も優れていて観て楽しい映画だった。 フランスの湖畔に建つ瀟酒な家に住む仲良し夫婦が会話を楽しんでいると、施設にいる叔母に会いに行く事を思い立つ。オープンカーで美しい風景の道を楽しく会話しながら、古いお城を改修し…
ヒッチコック監督のサスペンスドラマである。ストーリーはまあそれほど良いものでもないが、ロケ地のヴィジュアルが面白い。北欧フィヨルドクルーズから始まって、コペンハーゲンのチボリ公園、東ドイツの当時の街並み、ベルリン美術館、ライプチヒにあるカ…
この映画は『硫黄島からの手紙(2006)』と視点が逆になっているというユニークな作品である。両者ともスティーヴン・スピルバーグが関与しているだけあって実写の迫力は素晴らしい。 戦争映画ではあるが、力点はあの摺鉢山制圧後、海兵隊員らが星条旗を山頂…
ブレア首相と王室関係者については役者を起用し、ダイアナ妃については報道映像を使う事で時系列に忠実なドキュメンタリー風なドラマになっている。 1997年の夏、エリザベス女王がいつものようにスコットランドのバルモラル城で静養していると、事件が起こっ…
クリント・イーストウッド監督作品で、戦争物でありながら心暖まる場面が多いという映画である。非国民という言葉を金科玉条として、怒鳴り散らす軍曹風情は出てくることは出てくるが、心優しい司令官や、人間らしい元憲兵が出てくるところがいい。中盤では…
テレビドラマは全部観たがシュトレーゼマン、ハリセンの人、ペトルーシュカのギャグには破壊力があった。本編は時間の関係からかギャグは控えめで、登場人物の留学やら海外での活動が描かれている。音楽も新しいものが登場する。 千秋はウィーン楽友協会での…
実写なのかと思って観ていたら人物の顔が全部CGだった。背景や建物もよくできたCGである。だが演じている俳優さんがいるので、デジタルで撮影する工程があるのだろう。 ストーリーはほぼ完璧で、ずっこけるキャラも配されており、大人でも十分楽しめるクオリ…
ここ与論島に住む人々は達観というか、嘘のない世界に生きているのだった。裏を返せば東京は嘘だらけということになる。 プロペラ機で与論島の空港に降り立った東京のOL風のたえこはハマダという民宿に投宿する。主人は笑顔でよく喋るが押し付けがましくない…
世に出るのがなんだかんだで遅かったような気がする。大林宣彦監督のポップ風なスリラー映画である。(観る者とのミスマッチにより)あんまり伝わってくるものが無かったが、ストーリーとは関係ないところで西洋風の顔立ちの女優さんがでてくるのである。し…
為政者による戦争への誘導を国民が一回でも止められたらそれは人類の歴史のエポックになるだろう。 大林宣彦監督作品をもう一つ観る。3時間弱の長大な作品だが、自主制作反戦映画っぽいものながら、美人女優とベテラン俳優を揃え、マニアックでファンタジー…
大林宣彦監督作品。主演尾美としのり、富田靖子。尾道三部作のラストであり、なんだか即興で作ったような映画ではあるが後半からはしみじみした感じが出てきて、ここには真実のかけらが落ちているのでは?と思った。 まあ根っからの映画人だけあって監督憧れ…
まあ空前絶後の制作スタッフだし、原作者の脚本で2時間にまとめた作品ということで、文句を言う様な筋合いもなく、よくぞ残してくれたというべき作品である。 安倍公房のセリフがちりばめられている。と言うことは一種饒舌なのであるが、嘘つきのそれではな…