映画

映画 はなれ瞽女おりん (1977)

話を盛り込みすぎ、明示しすぎな点を除けば、映像美と格調の高い音楽、俳優陣の過不足ない演技、照明やカメラワークなど技術的に称賛に値する映画である。又、伝統文化を後世に伝える役目も十分果たしている。 前半は盲目の少女おりんの生い立ちから、禁を犯…

映画 赤ずきん (2011)

村人とは?伝説から起こる悲劇とは?こういった古くからあるシリアスな問題に目を向けた大人向けのストーリーを美しいビジュアルで作り上げた作品である。題名どおり一部童話の赤ずきんとオーバーラップしている。 辺境の森にある小さな村で、ある満月の夜に…

映画 セックスと嘘とビデオテープ (1989)

いわゆるセレブ社会のメロドラマかと思って見ていたら、人間の真実や深層に迫るような部分がある作品だった。 美人姉妹の姉アンは弁護士のジョンとセレブな生活を送っているが、セックスレスであり精神科医のカウンセラーを受けている。8年ぶりに故郷に戻っ…

映画 エターナル・サンシャイン (2004)

これは洋画で時々ある変わったテイストの独創的な映画である。出くわすと得した気分になる。邦画ではそういうのはほとんど無い。記憶を部分的に消去する新手のビジネスと、恋愛で起こる古典的な揉め事を組み合わせたストーリになっている。 気まぐれでやや軽…

映画 ブーリン家の姉妹 (2008)

これは長い長いヘンリー8世の物語のほんの一部であるが随分と波瀾万丈な悲劇となっている。 男子を授からない王妃がことの発端である。ヘンリーは新たな愛人を求めて貴族の領地で狩猟を行い、気に入ったメアリーを王妃の侍女にして女児をもうける。がこの子…

映画 Wの悲劇 (1984)

テーマとしては女優を目指す劇団研究生がオーディションを経て有名劇場での公演に至るまでの経験を描いたものだが、単なるサクセスストーリーではなくとても複雑なものになっている。 Wの悲劇というのは和辻家で起こる殺人を主題にしたサスペンス小説であり…

映画 河内山宗俊(1936)

この映画の元になっているのは『天衣紛上野初花』という歌舞伎であり、これは河竹黙阿弥の最高傑作と言われている。「くもいにまごううえののはつはな」と読む。 そういう事は知らずに視聴したので誰が河内山なのか見終わってから調べて知った。河内山宗俊は…

映画 ブルク劇場 (1936)

ブルク劇場専属の名優ミッテラーはプロンプター兼執事のぜードルマイヤーと気ままな二人暮らしをおくっていた。ファンに取り囲まれるのを嫌がり、男爵夫人のサロンへの招待も全部断っていた。ところがある日散歩の途中で教会で見かけた仕立て屋の娘レニに一…

映画 ディスタンス (2)

実行犯は勝の兄、実の元妻、きよかの夫、敦の姉ということになる。敦以外は出家にまつわるいざこざが寸劇として描かれているので事情は明白だ。問題は敦である。どうやら姉は教祖の娘であり、弟の敦は教団から距離を置いていたようだ。それは敦の実家に飾ら…

映画 ディスタンス (2001)

オウム真理教の強制捜査から5年後に着手され翌年に完成した映画である。この物語ではテロを起こした教祖、実行犯四名は自殺しており、事件から三年後の実行犯遺族の後日談として描かれる。 簡単な事件の解説から始まり、実行犯遺族四名が集合して慰霊のため…

映画 皆月 (1999)

冒頭の文学的な置き手紙を残しての妻の失踪からの主人公の非日常は100%新宿の裏社会の解説である。主人公のオッサンはゼネコンに勤めるサラリーマンだったが妻の失踪に呆然としながらも会社を辞めて、ヤクザをしている義弟の組に入れてもらう。そこでソープ…

映画 憑神 (2007)

運命とか祟りなどというものは容易く変えられるものではないのだ。この映画の最も悪いところは、貧乏神や疫病神に取り憑かれた主人公が話し合いにより難題を解決してゆくところである。凶悪な相手でも話し合えば問題は解決する、などと映画で宣伝する行為は…

映画 ワイルド・スピード X2(2003)

逃亡中の元警察官ブライアンはマイアミで顔を効かせるほどになっており、やっぱり違法なストリートレースに興じていた。程なくしてFBIに逮捕され前回の罪を問わない代わりに新たな潜入捜査を命令されるのである。 ブライアンは地元のワルだった相棒と組み、…

映画 ツレがうつになりまして (2011)

鬱病がテーマの作品で手法としては伊丹十三の映画に似かよっているものがある。一通りの知識が得られるが、かなり綺麗事が混じっているので映画のようにハッピーエンドになると思ったらそれは間違いかもしれない。 都内のIT企業に勤める幹夫は顧客からのクレ…

映画 ワイルド・スピード (2001)

公道で違法なドラッグレースを繰り返す集団に潜入捜査官が入り込んで自分もレースに参加する話である。その目的は大型トレーラーを襲撃する強盗団の検挙である。さて捜査官ブライアンは金髪の男前でカーショップの店員になりすましている。集団のボスである…

映画 美しい人 (2005)

ロドリゴ・ガルシア監督による9本からなる短編オムニバス映画である。邦題の美しい人というのは原題のNine Lives とはややかけ離れている。問題を抱えた青年期から老年期までの女性のストーリーである。例えて言うとちょっと変わったホームドラマを切り抜い…

映画 上海の女 (1952)

南京政府の高官の娘莉莉(李香蘭)は長崎生まれの日本人孤児だが、中国人として育てられ今では歌姫として有名である。特務機関の真鍋中尉(三國連太郎)は上海で任務に当たっていたが、ある日ナイトクラブで彼女を見かけ親しくなる。当時の上海は重慶政府の…

映画 友子の場合 (1996)

題名からするとドキュメンタリータッチのマイナーな映画と思ってしまうが、観てみると翔んで埼玉のようなコミック原作のぶっ飛んだ映画だった。 首都圏(埼玉)の女子高校生友子が友人たちと卒業前の温泉旅行に行く前夜から物語が始まる。理科実験室やコック…

映画 悪魔の棲む家 (1979)

一見した感じでは非の打ち所のない映画のように思われた。何故ならこのようなホラー映画では悪魔の方が強すぎて、人間が完璧にやられるのが道理で、その一部始終とくればこれは見応えがあるからである。 実在した家と実際に起こった事件を元にしたとあるが、…

映画 グレイティスト (2009)

時系列がかなりいじってあるが、ストレートなストーリーにすると1回目のデートで妊娠したカップルの男の方が事故死して、残された女の子が子を産むというお話しになる。妊娠を告げられた義理の家族はこの事を素直に歓迎できないようで、父親はうろたえ、母親…

映画 ポゼッション (1980)

ドイツの街を舞台に英語で会話が行われる劇映画である。最初は冷えた夫婦関係がテーマの人生ドラマかと思いつつ見ていると、美人妻の言動がいささか常軌を逸しているように思われる。多重人格なのかなと思って見ていると、単なる三角関係ではなく、エイリア…

映画 月に囚われた男 (2010)

月の裏側でエネルギー資源の採掘員として働くサムは3年の契約期間をもうすぐ終えて地球に帰るところであった。サムはルナ産業社の社員でありサランという基地で一人で仕事をしている。ガーティというロボットが全てをサポートしてくれている。ところがある日…

映画 預言者 (2009)

主人公のタリクが投獄されてから6年の懲役刑を終えるまでの物語である。タリクはアラブ系フランス人だが孤児だったので出自は不明である。獄中を仕切っていたのはコルシカ人のマフィアで、ボスのセザールがタリクに目をつける。タリクは使い走りとして奉仕さ…

映画 Mr.ビーン カンヌで大迷惑?! (1998)

カンヌ旅行に当選したビーンが勇躍ユーロスターに乗車してフランスに行く道中を描いたコメディである。 ビーンのギャクはなかなか笑えないものが多いが、今回はソニーのハンディカムが大活躍する。物語の発端から終幕までの重要な役割を担っている。途中から…

映画 そんな彼なら捨てちゃえば ?(2009)

原題は”He's Just Not That into You“となっている。よくある女性側の思い込みを題材にした恋愛の指南書風に作られている。4組くらいのカップルの話が進行するのであんまり良くは理解できなかったが、ヒロインのジジは失敗にもめげず、指南役の男性とめでた…

映画 カジュアリティーズ (1989)

ベトナム戦争の記述は通読するだけでも大変な分量なので、なかなか近づけないでいる。これは1989年の米国制作のシネマである。 ベトナム戦争で奥地の偵察任務に出ていた部隊が犯した戦争犯罪を描いたもので、マイケル・J・フォックスが正義感の強い新兵を演…

映画 幸せの行方 (2010)

これはまたユニークな映画があらわれた。ふつうのスリラーサスペンス映画と思って観ていると、そうでは無い。実在の事件の真相を映画で再現しており、さらに失踪のトリックが刑事コロンボで使われたものと同じという。 何故?という問いにもある程度答えてい…

映画 成熟 (1971)

関根恵子、篠田三郎主演の往年の大映青春映画である。農家の家に生まれた娘と漁師の家に生まれた息子の恋愛物語であるが、舞台となる山形の風物が多く映像に収められている。鼠ヶ関神輿流、湯田川温泉里かぐら、羽黒山三山神社の山伏、山形花笠まつり、鶴岡…

映画 新・高校生ブルース(1970)

性をテーマにした往年の青春映画である。主演は関根恵子、男性陣は三人いてそのうちの一人が水谷豊である。東京の高校生たちの生態が描かれている。 三人は学園祭までに童貞を卒業する誓いを立てるのだが、街に性風俗が氾濫している割には一般の高校生にとっ…

映画 祭りの準備 (1975)

ATG映画の中では一般にも好評だった作品である。高知県の小さな町で幼少時から育ち青年になった楯男は信用金庫に勤めながらシナリオライターを目指していた。母親と祖父との三人暮らしである。映像にはお遍路さん、肉体労働をする大勢の主婦、うたごえ運動、…