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東洋文庫 抱朴子 外篇 1 (317年)

  葛 洪(かつ こう)の記した神仙思想の書である。巻二の逸民ではこのように言っている。「豪奢な 暮らしをすれば、賄賂を取っているのだろうとか陰口を言われる。それよりはいっそ古典の世界に心を遊ばせ、不老不死の術を修練し、自分の鋤で飢えをみたし、自分の機で着物を織ったがよい。」いわゆる隠棲賛美の美文が延々と続いている。老荘思想を勧めているのかと思うと巻四の崇教では為政者の堕落を憂いてこう述べている。「思うに皇族や貴族の若者は、ぜひ儒学を尊び礼儀文雅に努め、老荘など不急の道を捨てて、六教の正道にいそしむべきである。」巻二十三では世も末になり婚姻に関する訴訟が増えたと述べている。結納を行った後でも倍返しをすれば婚約解消できるという新らしい法について批判している。これでは美人に目をつけた金持ちが金を積んで美人を持って行ってしまうと言い、女の家も地位の低い相手を蹴って高位の家に嫁ぎたがるだろうと述べている。


  広い話題を斜に構えて論じる様はなんとなく徒然草のような趣がある。