東洋文庫 劉鶚 老残遊記 (1903)

  科挙に落ち資産を食い潰した主人公の老残は食う為に医者になり各地を回る。有力者の病気を治しては接待を受け金をもらい旅を続けるのである。口コミで評判が広がり役人まで老残を登用して治水に当たってもらおうとする。だが老残はその申し出を丁寧に辞して旅を続けて行くのである。


   語り口はまるで講談のようでありストーリーも平易なものである。清朝末期の世相や役人を皮肉った内容になっている。作者の劉鶚(りゅうがく)は医術、治水、文学に造詣があり多才な人物だが最後はウルムチに流刑にされ病死している。