ジャネット・フレイム 潟湖(ラグーン)

    ナイーブの極致とも言える子供目線の描写に交じって安部公房のような皮肉がでてくるという凄い作品だ。作者は精神病院に入院歴があり長い間統合失調症と診断されていたがそうではないという意見もある。姉妹の相次ぐ死と極度の人見知りからくる解離症状だったのかもしれない。文章は簡潔でよく練られており少なくとも言葉のサラダではないと思う。

1920年代のニュージーランドの自然の変化や人々の娯楽が描写されている。そのころの鉄道、海水浴場、潟湖の様子も偲ばれる。ニュージーランドは今も人口が少ないが(400万人程)それは賢明なことかもしれない。インフラを支える産業がない国では大都市を作っても維持するだけの生産力が無いのである。2010年のハイチ大地震では大都市が壊滅したが自力での復興は不可能と言われている。人口だけ膨張してもインフラの無い所はいつかは滅亡する運命にあると思った方がいい。

 

 

 

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