ロベール・ド・クラリ 伊藤敏樹訳 コンスタンチノープル遠征記 (1220年頃)

    この書は第4回十字軍に従軍したフランク王国の騎士が口述したものである。この世界史上際立つえげつない蛮行も事情を聴いてみるとなるほどと思える。要するに大義名分さえ立てば泥棒の行為も平気というのがあちらの人々の習わしなのだ。この場合は皇帝の直系親族を立てているので今の皇帝が簒奪者と言うこともできる。征服は成功しラテン帝国が58年続いた。事件のいきさつとエピソードが語られている。

     この本によると東ローマ帝国の民はギリシャ人でありそもそも東ローマ帝国ローマ帝国の影響は受けているがローマ帝国とは別物の世界であるという。また現代のギリシャ人はビザンツ人の末裔という意識があると書かれている。テッサロニキはその色が濃い都市だ。