ジャニス リトル・ガール・ブルー (2015)

多分『ローズ』がファンや遺族が激怒するような内容だったため、本作が作られたのだろう。関係者と遺族による証言と、貴重なライブ映像からなる完璧な作品である。人口6万の南部の町ポートアーサーで生まれたジャニスは地元のハイスクールを卒業し、テキサス大学に進学、そこで音楽仲間と知り合い活動を開始する。最初はブルーグラスのバンドに入れてもらいカントリーやブルースを歌っていたという。だんだんジャニスの飛び抜けた素質に周囲が気づくようになったが、ジャニスは保守的で心ない人たちがいる南部を飛び出してサンフランシスコに拠点を移して活動を始める。大学は結局中退となった。Big Brother & Holding Co.というバンドのメンバーとして歌っているテレビ映像がある。驚くべきボーカルパフォーマンスで関係者は売れることを確信していたようだ。そしていよいよ1967年6月16日のモンタレー野外フェスティバルに登場し観衆の度肝を抜いたのである。熱演後の大喝采の映像が残っている。

この後はまあウッドストックに出演したり、フェスティバル・エキスプレスに参加したりして、アルバムも数枚残している。僕は『パール』のCDを買って聴いていた。CDでは良さがあまりよく分からなかったがこの映画を観て大変良く理解できたのである。