映画 おじいちゃんの里帰り (2011)

   戦後のドイツ復興に外国人労働者が導入されその100万1人目がフセイン・イルマズだった。いまではおじいちゃんだ。ドイツに帰化し孫たちがいる。家族たちが集合し食卓を囲む。おじいちゃんが報告する。トルコに家を買ったのでみんなで行こうという。
 
    フセインの故郷はトルコ南東部の村。村長の娘にプロポーズするが村長に断られる。フセインは強硬手段にでて娘に襲いかかり結婚を既成事実化する。子供が3人できて生活も苦しい。或る日ドイツでの労働者募集を耳にして応募、外国人労働者として働き始める。順調に仕送りして一時帰省するがこの時一家移住を決意する。いよいよ移住が決まると送り出す人々はアルマンヤ(ドイツ)の事を悪く言う。子供にはプレッシャーがかかったようだ。Turkishブルーのトラックに乗り一家は送り出される。長い旅の前に水を撒くというトルコの風習が出てくる。5人家族がアパートに入居する。みなドイツの見慣れない風俗に驚く。特に便器とキリスト像には驚いたようだ。子供を学校に入れ、もう一人子供ができる。子供たちはだんだんドイツの文化に魅了されてゆきクリスマスが好きになる。夏に一家でトルコに帰省する。フセインはトルコの現実に幻滅しドイツに家を買うことになる。

    おじいちゃんは家族旅行に固執するが都合の悪い家族もいる。だが全員行く事になる。トルコに着くとマイクロバスで故郷に向かう。おじいちゃんはドーナツを買い皆でトルコ料理を食べる。孫娘が未婚の母になり相手がイギリス人だという。このときのおじいちゃんの反応が面白い。結局家にたどり着く前におじいちゃんは死んでしまう。ホテルに泊まり家族会議になる。妊娠について女性陣の追求は厳しい。兄のモハメドは離婚するという。弟は自分が失業したときのことで兄を恨んでいたが同情する。翌日、違法だが村の土地におじいちゃんを埋葬する事に決める。おじいちゃんが買ったという家に入ると戸の向こうは土地だけだった。一同は思わず苦笑する。次男が家を建て直すという。

  最後にメルケル首相の前でおじいちゃんが練習していたスピーチを孫が代わりに行う。ドイツに来て45年山あり谷ありだったが今は幸せだと締めくくった。
 
   ハッピーエンドだが移民問題をドイツ人が美化した話だと思う。ただ細かく見ると皮肉めかしているがトルコ人とドイツ人は相容れない事もちゃんと描かれているようだ。