BSドキュメンタリー 定年・夫婦で走った40日 〜中米縦断・トレーラーの旅〜 (2001)

  テキサス南部に集結した24台のトレーラーハウスがキャラバンを構成してパナマまで走り抜ける40日間の記録である。5000kmを走行する。参加者は平均年齢67歳という子育てが終了した夫婦である。50年前から行われているイベントで開拓時代の幌馬車隊をイメージしていると言う。

  ミーティングで自己紹介した後、2001年1月12日の早朝マッカレンを出発する。30分後にはメキシコを走っている。リーダーはゲーリー(69歳)と妻のダーリン(65歳)でこの道30年のベテランである。ダーリンがナビを務め各車は無線でつながっている。最後尾のトレーラーは脱落車がないかチェックする。8時間後にキャンプ地のラガータに到着し最初の夜を過ごす。キャンプ場の使用料は一泊千円で水道、下水、電気が使える。この日もミーティングが行われた。1組が心臓の病気で参加を中止したと言う。

  二日目も8時間、446kmの行程である。これでは観光どころではなく耐久レースの様だ。5時間走って昼食となる。駐車場でめいめいが軽食をとっている。午後はゆったり走り日が傾いてくる。海辺の町タクスパンに到着する。三日目もハイペースで走行する。参加者もややナーバスになっている。エルタヒンに到着する。ここには世界遺産の遺跡がある。翌日見学して出発する。夫婦の会話を取材するが映画である様な辛辣な言葉は出てこない。建前が多い様だ。テコルータに到着する。ここではレストランの一角でパーティーを行なった。その後は海辺を散策する。

  1月17日未明に出発。カール(51歳)とナンシー(51歳)は再婚夫婦である。お互い子供がたくさんいたがほぼ子育ては終了している。古都ベラクルスに到着する。車をビーチに停め二泊する。この日は皆で夜の町へ繰り出す。翌々日出発するが天候がおかしくなる。今日は山を越える。5時間かかってラ・ベントーサに入る。二台が強風によるトラブルが生じて難儀している。参加者はこの長旅は冒険であり気晴らしでもあると言う。タパナテペックでミーティングし一泊。ロルフ(65歳)は旅行好きだった妻を亡くし一人で参加している。再婚は考えていないという。電子レンジでピザを調理する。

翌日はグアテマラに入る。サンタマリア火山が見える。観光地のベースとなるアマティトランに到着。ここで五泊する。男性陣は乾杯する。女性陣も話の輪に加わる。リラックスしたのかちょっと本音が出てくる。バスで1時間の古都アンティグアを見学する。観光客になり買い物を楽しむ。アティトラン湖に来る。ハックスレーが絶賛した景色である。少し風が吹いている。

  米国では夫婦で話し合って定年を自ら決める人が多いという。収入は半減するが時間が倍になると考える。エルサルバドルに向かう。最近地震があった所である。エル・ニーニョという町に入る。治安悪化のため騎馬兵隊基地でキャンプする。キャラバンは被災地に救援物資を届ける。衣類などである。エルサルバドルをさらに進んで行く。参加者は取材スタッフに昔話をしたり歌を歌ったりする。水道のインフラは破壊されていてガソリンスタンドで水を購入する。保養地リベルタッドに到着する。ここで3泊する。取材が進むにつれ老夫婦のいろいろな形がわかるドキュメンタリーである。

ホンジュラス国境を越えニカラグアを目指す。ホンジュラスは通り抜けるだけである。ニカラグアに入ると荒涼とした風景になる。古都グラナダに到着。市内の公園でキャンプする。ゴードン(68)とキャシー(51)も仲がいい。ゴードンは父の日記持参で旅を楽しんでいる。コスタリカに入る。中米の花園と言われているコスタリカは自然保護に力を入れているという。検問所ではトラブルがありだいぶ待たされ愚痴が出て来る。首都サンホセに入る。ディック(72歳)とキャシー(67歳)は感慨深げに語る。後は最終目的地パナマだけである。夜は全員でディナーを楽しむ。

  翌日24台のキャラバンは霧の山道を抜けパナマ運河に到着した。アメリカ橋を渡りキャンプ場に入る。最後に各夫婦にインタビューがあるがまた建前に戻っている。