BSドキュメンタリー 告白 僕は不法移民なのか 〜米移民法改正論議〜 後編(2013)

  活動開始して一年たったホセは移民税関捜査局に電話するが録音していいか聞いた途端切られてしまう。自分の状況がどうなっているか情報が欲しいのだ。ホセはミズーリ州カンザスシティの集会に出席する。ドリームの春というグループである。彼らとホセはタイム誌の表紙に載る事になった。その頃政府により国外退去の延期措置がとられるという情報が流れる。この事を支援者から聞かされたホセは電話口で泣いていた。ホセはどうあがいてもこの措置の適用外なのだ。

  オバマ大統領は翌日この措置を発表。該当者は就労許可の申請もできるという。この措置に不満を持つ人々もいる。ドリーマーズ母親の会ではこんな発言が聞かれた。親と子が引き離される事が辛いという。ホセはカリフォルニア州ロスアラトスで講演をする。お世話になった地元の関係者を呼んでいる。彼らを一人一人紹介しそれぞれの温情に感謝する。

  いよいよホセは母と向かい合う決心をする。1997年以来ホセの方から音信不通にしていたのだ。取材班はマニラに飛び母の現状を映し出す。まだ50歳と若い母は元気そうだがホセとは父親が違う弟と妹と暮らしている。皆んなMacBookの前に座りホセとスカイプで束の間の会話をするのだが会話は感傷的で重いものとなった。

  その夜ホセはワシントンへと向かう。ホテルに宿泊し公聴会の準備をする。退役海軍将校の叔父が原稿の読み方についてアドバイスする。公聴会では宣誓の後ホセに発言の機会が与えられホセはいつもの主張を繰り返していた。無事に終わりほっとするホセ。まあ母はホセの事を誇りに思っているし普通の親子のように愛情を注ぎたいとも思っている。だが現実はなかなかそうはいかないようだ。

  その後のホセの処遇については情報が乏しい。2014年7月にメキシコ国境付近でホセは逮捕され8時間後に釈放されたというニュースがある位である。今年の9月にトランプ大統領の打ち出した政策はホセの立場を一層不利なものにすることになる。