NNNドキュメンタリー 今日も、海の庭で・・・ 〜スナメリと生きた13年〜 (2018)

下関在住の上崎美代子さんは毎日のように海岸に出てはスナメリを観察する。ここは私の庭だという。スナメリは家族だという。2015年春、山口放送の記者が海岸を取材中にスナメリ出るよと話しかけてきたのが上崎美代子さんである。最初は全く見えていなかった記者だが美代子さんの指導でスナメリの姿が確認できるようになった。

美代子さんは地元水族館のボランティアとして観光客にスナメリの魅力を伝える活動をしている。13年間海岸に出ては観察記録とスケッチを作りその結果としていくつかの事実を発見している。この活動に対し日本動物愛護協会から表彰状が贈られている。この三軒屋海岸では他の生物も観察することが出来る。コウイカの卵、タツノオトシゴカブトガニを観察する。2015年の夏に美代子さんはカブトガニの観察教室を開く。生きた実物と標本で子供達に特徴などを教える。

2016年3月19日、この日をスナメリの日と命名した美代子さんは海岸でくす玉を割りお祝いをする。その後美代子さんが海岸に現れる日は少なくなって行く。末期の膵臓癌になっていた。翌年の3月19日海岸に現れた美代子さんは娘さんとくす玉と風船を準備する。仲間も30人やって来てお祝いする。美代子さんは第2回スナメリ祭りの祝辞を述べ泣いていた。その1ヶ月後美代子さんは亡くなった。享年62であった。

取材班は美代子さんが住んでいた家を訪れる。娘さんがここをスナメリ資料の展示室にしようと改装していた。海岸ではボランティアの人が美代子さんの意志を継いで訪れる人にスナメリの姿を見せて説明していた。