岩波現代文庫 無罪を見抜く (2013)

本書が単行本で出たのが2013年のことで、著者の木谷明氏75歳の時である。最近Eテレで姿を拝見したので2020年3月に出た文庫を購入した。テレビでこう言っていた。

「神様と被告人以外は本当の事を知らない。法廷の中にいる人の中で真実を知っているのは被告人だけ。真実を知っている被告人に対してこれが真実だという判決をする裁判官は如何に恐ろしい事をやってるんだということを考えなければならない。」

まあこれがこの本のテーマの全てである。人生をかけてかどうかはわからないが、裁判官としてこの事を追求すると著者のような生き方になるのだろう。無罪判決が30件以上であるという。当然あらゆる方面から矢のようなものが飛んでくるが、それには滅法強かったようである。