角川ソフィア文庫の上巻を入手した。
これはこれで随分読みやすいと思うが、流布本を底本とするので琵琶法師の語りの口調が少々仰々しいと感じたりする。
1593年に不干ファビアンが書いた天草版平家物語の漢字仮名版があるが、これはこの頃の普通の会話文のようであり、とても読み易い。本では入手が難しいがネット上にテキストが公開されている。ファビアンの言葉を引用する。
《日域の往事を弔うべき書これ多しと言えども,なかんづく叡山の住侶,文才に名高き玄恵法印の制作平家物語に如くは有らじと思い,これを選んで書写せんと欲する》
玄恵法印について調べると源平盛衰記に行き着くのである。そのテキストもネットで入手できる。
JISに無い漢字をネットで探して埋めているところ。東洋文庫を読んでいる時はよくこのようにして遊んでいた。出費を厭わなければ夕陽亭文庫の源平盛衰記のKindle版を買うと、難しい漢字もすでに表示されているので良いと思う。
ということで今読んでいるのは天草版平家物語である。