東北から上京してOLとして働いている仲子(岸本加代子)と知り合った中年男の浦さん(杉浦直樹)が、とあるバーで逢引を重ね、東京でデートするが最後は破綻するという、まあまあありそうな話である。最初の状況設定は無理矢理な感じがする。仲子は自分が働いて、作家志望の兄を養っていたが兄が突然旅行先で死んでしまうというものである。浦さんがその兄に似ていたと仲子は主張する。
話し相手のレベルなら別になんということはないが、ついには体の関係を持ち、不倫、略奪婚という選択肢も見えてくる。ただこの浦さんという男性は、いい加減な嘘つきだったので、離婚の話し合い中とか、会社が倒産したという話は信じることはできない。諦めがついたのか仲子は田舎に帰って、お見合い結婚するという選択肢を選んだのである。
結末も平凡だった。もう少し、笑うセールスマンのような毒が仕込んであると面白かったのではないだろうか。