岸辺のアルバム 第8回

   繁と担任がスナックで話していると姉が突然入ってくる。事情を察した姉は自分が繁に電話を止めさせると言ってその場を収めた。その夜二人は話し込む。母親の浮気に対し繁が悶々としているのに対し律子はサバサバとしている。夫婦なんてそんなものよという。そういう律子は彼氏のために編み物をしている。

   鬱屈した繁はチーズバーガーを食べにモスバーガーに行く。当たり散らす繁にアルバイトの少女(哀愁)も持て余し気味である。家に帰ると何故か停電になりロウソクの光の中で繁は電話をやめると言う。原因にうすうす気づいていた則子も繁に自分も同級生と喋るのを止めると言う。

    嬉しい繁は次の日の朝、接待ゴルフに行く父親に今日は早く帰って母の誕生祝いをせよと言い始める。父親はなるべく帰ると言った。姉は横浜でデートのようだ。繁は代々木の帰りにプレゼントのワインを買う。謙作は大きいケーキを買って帰ってきた。姉は帰らなかったが三人で楽しく誕生祝いをした。 

    律子の方の交遊関係が問題になってくる。律子は時給の高い英語のアルバイトをしているが何故か夜遅く帰ってくる。バイト先に突撃した繁は律子の交際相手の外人チャーリーと会いその日は男の部屋でワインを飲みながら律子の焼くステーキを食べた。婚前交渉を否定しない律子に繁はもやもやしている。

     大晦日の夜は東京の空に雪が舞い、お正月も静かに過ぎていった。事件が起こったのは正月が明けた4日の日だった。 律子がチャーリーの知り合いにレイプされたのだ。繁に相手を殺してと頼む。