夢のオーディオシステム(35)

イージーリスニングを聴き進む間にアンプのテストをした。J18SEPPは明るく爽やかな音調ですでにシステムとして申し分の無い状況だ。

K180SEPP 音調はそのままで厚みとツヤが若干増す感じである。

J48 HCA 音像が随分奥に後退するがキメが細かくMOSらしい音を奏でる。

バイポーラHCA 抵抗を排除したアンプである。これまた柔らかくほのぼのとした音調でバイポーラの 良さが堪能できる。

GaN MOS 低音に力があり柔らかく、聴いたことのないような色っぽい音がする。 MOSとSITを超え ているのはほぼ間違い無いと思う。

聴いている間にGaN MOSアンプが熱暴走しだしたので改良版を作る事になった。

映画 ディープインパクト2016 (2015)

スパイ衛星の暴露をめぐって職員で宇宙物理学者のトーマスと研究所の関係が悪化しトーマスはFBIにマークされ研究所には出入り禁止になっていた。この事件のせいで息子のカイルは学校でいじめにあい妻のマギーは離婚と家の売却の話を進めている。

ところがある日ラシュモア山の大統領像に隕石がぶつかり像が破壊される出来事があった。トーマスは自宅に落ちた隕石を分析し、これは人工衛星と暗黒小惑星が衝突しその破片が到来したものと推測し、その暗黒小惑星が地球に向かっていると推論する。トーマスは研究所の同僚ケーシーに協力してもらい休止中のスパイ衛星を起動し小惑星を観測し軌道を計算した。それによると12時間で暗黒小惑星が米国の西海岸部に衝突するという。

弟がナンパした女子大生サンドラはニュースのネタを得るためトーマスに接触してくるが大学のパソコンを提供したりデモをして当局を撹乱しトーマス手助けをすることになる。弟はこのあとサンドラに告白した。トーマスはジャックバウアーばりの活躍を見せ研究所に侵入したり逃走したりのアクションが展開する。FBIがトーマスを逮捕しようとして弟を銃撃したが弟は無事だった。

結局トーマスの思いついた塩酸を暗黒小惑星にぶっかける作戦はカイルの小型ロケットを使ってギリギリのところで成功する。小惑星はガスになって消滅しトーマスは救国の英雄となり出世して物語は終わる。出世したのでマギーとの離婚は回避された。

東洋文庫 朝鮮小説史 (1939)

著者の金台俊は京城帝国大学朝鮮語学科を卒業、後に地下活動に参加し延安に脱出した。朝鮮独立後は反米闘争を行い李承晩政権によって処刑されている。

上古時代においては文学と言えるものは存在しない。三国時代に書かれたとされる金大問「鶏林雑編」、「花郎世紀」、崔致遠「新羅殊異伝」は残存せず後世に引用されているだけである。史書高句麗百済新羅の物は湮滅し高麗の時代に編集された「三国史記」及び「三国遺事」が唯一の古代文献である。著者は「三国史記」収載の「都弥伝」、「温達伝」について言及している。又「三国遺事」収載の「太宗春秋公」、「百済の武王」について詳述している。以下は著者による梗概である。

百済の武王

百済の武王はまだ幼かった頃その母が甘薯売りをして生計をたてていたことから、薯童(ソドン)と呼ばれていた。若年のころ、新羅の善花公主の美しいことを知ってこれに心を寄せたが、やがて僧侶に身をやつし、新羅の慶州へ赴いた。そして一計を案じた武王は、一首の歌を詠み、子供達に教えてこの歌を流行させた。その歌とは次のようなものだった。

善花公主の君は 人知れず嫁入りせしに

薯童さまを 夜ひそかに抱きて去れり

このため、善花公主は一朝にして宮中から逐われる身となった。この機会を逃さず薯童は、巧みに取り入って近侍の一人となり、いつしか公主の心をつかむまでにいたった。かくしてついに春風にたわむれる蝶のごとくひとつがいとなって、薯童は百済王となり、善花公主はその王妃となった。

高麗の時代は文化的に暗黒時代だったと著者は述べているが、高宗の時代に若干の稗官文学が芽生えている。「白雲小説」、「破閑集」、「補閑集」、「櫟翁稗説」などがそうである。又仏教の隆盛に伴って僧侶による文学も少なからずある。「浮雲居士伝」、「朋学同知伝」、「普特閣氏伝」、「王郎返魂伝」がそうである。「王郎返魂伝」の著者による梗概があるが省略する。「金牛太子伝」の梗概もあるが省略する。どちらも仏教説話である。

李朝の500年間は仏教が衰退し儒教特に朱子学が隆盛を誇った。この時代にハングルが創製されている。伝奇文学としては金時習の「金鰲新話(きんごうしんわ)」が有名である。この時代に成立した「沈清伝」については詳述している。壬辰・丙子の乱後には近代小説も出てくる。「春香伝」について特に詳しく詳述されている。他に「淑香伝」、「玉丹春伝」も取り上げて述べている。そのあとは新文芸運動について細かく述べて終わっている。

映画 ハムナプトラ (1999)

死者の都ハムナプトラをめぐって登場人物達が繰り広げる大人向けの冒険活劇ファンタジー映画である。まず3000年前の事件から始まってハムナプトラに葬られたミイラと財宝が眠っている経緯が明かされる。このミイラはイムホテップという大神官のミイラで復活するとエジプトに災いが起こるという。

ハムナプトラにたどり着いたオコーネル、エブリン、エブリンの兄はミイラを発見するがエブリンがうっかり死者の書を読み上げたためにイムホテップが目を覚まし人間を殺しながら完全復活を目指す。砂嵐となって移動するイムホテップは三つのツボと生贄を手に入れると同じくミイラとなっていたアナクスナムンの復活の儀式を行う。生贄としてエブリンが連れ去られ絶体絶命の危機の中、黄金の書を探し出したオコーネルらがその呪文でイムホテップをなんとか殺すことができた。

これだけの大惨事であるから犠牲者が次から次へと出るのは当然で主人公たちも死んでもおかしくはない。だが主人公ら三人と守護戦士ベイは無傷で生き残り他の連中、特にアラブ人は惨たらしく死んでゆく。エブリンが「死はすべての始まり」と死者の書の一節を呟くのはアラブ人を殺しすぎたことへの言い訳である。

新設計SITアンプ 夢のオーディオシステム(34)

国内盤クラシックが終わってさてどうしようと思ったがイージーリスニングに突入した。つい先だってフランシス・レイ氏が亡くなったばかりである。カートリッジはDLー103に戻ってアンプは新設計J18SEPPになって実に気持ちいい音で鳴っている。

この音を実現する為にはスピーカーをFE103シリーズの出来ればバックロード、プリアンプをデュアルゲートMOSアンプにすることが必須だが。

映画 めぐりあう時間たち (2002)

この映画のモチーフである「ダロウェイ夫人」が実在の小説で、その小説の作者の英国人女性ヴァージニア・ウルフが実在の作家で入水自殺した時の遺書の文面もそのときの実際のものである。このエピソードが冒頭と中間部と最後に挿入されている。それ以外の登場人物はフィクションだと思う。

「ダロウェイ夫人」を愛読していたロサンゼルス在住の主婦ローラは小説の影響を受けたのか結婚生活を束縛と考え2人目の子供を産んだ直後にカナダに失踪する。カナダでは図書館で働いていた。捨てられた息子のリチャードは詩人として成功し授賞式が行われようとしていたがエイズに侵されていた。彼の面倒を見ていたクラリッサはリチャードの元カノだが今は友人である。リチャードが拗ねて授賞式とパーティに出ないというのを宥めすかし自分はパーティの準備をする。クラリッサを演じるメリル・ストリープが舞台女優の如く熱演している。

結局リチャードはクラリッサの目の前で窓から飛び降りて自殺する。その後リチャードの母ローラが現れて関係者と会話する。ローラ役のニコール・キッドマンに老女の特殊メイクが施されドアップで映し出され気持ち悪かった。大体この様な筋書きである。

作家が登場人物を殺すというのがモチーフとして何度も登場する。「ダロウェイ夫人」の作者が登場人物の誰を殺すか気が変わったらしく主人公とは別人を殺す。だからローラは死なずリチャードが死んだのだとどうも匂わせている節がある。このように文学作品は後世にいろんな影響をもたらすというのがこの映画の主張なのだろう。