東洋文庫 ケンペル 江戸参府旅行日記

  長いので二回目の江戸から長崎までの記録を追ってみた。日誌形式で通過した村や町の名前と概要が記されている。京都まで12日を要しているが未明に出発する早立ちが時折あって先を急いでいる感がある。京都では知恩院三十三間堂を見学している。遠州では夜泣き石と嫁ケ田の石碑を見たとある。嫁ケ田の伝説は春の祭典の生贄の話に似ている。踊り続けて死ぬ娘と田を耕し続けて死ぬ嫁という違いがあるが。フロイスの気持ち悪い文章と違って科学者であるケンペルの文章は明晰で読みやすいと思う。