映画 ニライカナイからの手紙 (2005)

オリジナル脚本による熊澤尚人監督の日本映画である。主演の蒼井優が表には出さないが何か含むような、それでいて思春期特有の振る舞いを自然に演じているのが印象的だった。ドキュメンタリーと錯覚させるような演出もあり、地元の祭りの踊りもちゃんと収録されていた。これは後に価値が出てくるものだ。また付随音楽も本格的な書き手によるもので参考になった。

主人公の母の死を13年間隠していたというのがこの映画の主題である。まあこのような虚構が功を奏するのかどうか、大したことはないのか議論はあるだろう。僕の理論では「無意識は虚構を拒絶する」というのがあるので、やっぱりしないほうがいいというのが感想である。