映画 アフガン (2005)

   1988年に行われたソ連軍対ムジャヒディンの3234高地をめぐる戦いをソ連側から描いた映画。出征してゆく兵士たちの高揚した姿がなんだか痛ましい。彼らは民間人に乱暴を働くがお咎めなしである。アフガン部隊は英雄視されているのかもしれない。夕映えの中、攻撃ヘリが悠然とアフガン高地をゆく。新兵たちが兵舎で訓練を受ける。上官は粗暴で学のなさそうなゴロツキだった。しごきに音を上げる新兵たちだが美人の慰安婦の話で盛り上がっている。すると思想改造を仕掛けてくる分子がいる。おちおち正論も言えない雰囲気だ。やがて任務に着く時がくる。配属先は空挺部隊だ。上官の訓練はエスカレートする。教官の講義中ふざけた兵士はその特技を買われて肖像画を描かされる。出陣前日には慰安婦を抱く場面がリアルに出てくる。ただのあばずれ女だと思うが皆ひれ伏して女神として崇めるシーンがあった。

   輸送機にてバグラムの基地に到着。たちまち地獄絵図を見ることになる。敵のロケット弾を飛び立ったばかりの輸送機が喰らったのだ。不時着大炎上となる。軍曹が一癖も二癖もある男だった。初任務は輸送部隊の護衛と前線基地への補給。野営をしながら高地を進んで行く。装備は十分だし余裕をかましていたが村を破壊する作戦で奇襲に遭う。追撃し村へ入るが味方が1人死亡する。村は結局砲撃で焼き尽くした。中隊はさらに高地を進んでゆく。年が明け陣地のようなところで絶景を楽しんでいると敵が大挙して押し寄せてきた。猛攻撃を受け白兵戦になる。全滅かと思ったが軍曹以下かなりの数が生き残り何故か敵は退去している。救援を待つが第二波攻撃も厳しいものだった。ついに殲滅を喰らうのかと思ったら5名が生き残り今後の策を練る。包囲に対し玉砕に出た瞬間に味方のヘリ到着。一名が生き残り大佐に報告する。このようにしてソ連側は局地戦で成果をあげられず、ソ連崩壊により翌年にはアフガンから撤退した。