映画 デイズ・オブ・グローリー (2007)

  命の戦場−アルジェリア1959で見たフランス軍のえげつない殺戮から遡ること15年のお話である。この時はまだアルジェリアの兵士がフランスに忠誠を誓っておりナチスドイツ軍と戦うことになる。彼らはフランス語を流暢に話すがイスラム教徒のアラブ人でありベルベル人も加わる。イタリア戦線では勇猛に突撃しドイツ軍の砦を陥落させる。要するに突撃要員なのだ。続いてフランス南部に進軍しマルセイユに入る。この後ローヌ渓谷に転戦する。主人公はベルベル人のサイードでマーチネス軍曹に気に入られている。一等兵にしてやろうと言う。スナイパーのメスードは凱旋したマルセイユでフランス人の恋人ができる。だが転戦中に出した手紙は悉く検閲され彼女には届かない。  


  戦争も終盤になり、この自由フランス軍アフリカ部隊もライン川を突破する作戦に加わることになる。決死隊を募りドイツ軍の待つアルザス地方に送るのだがマーチネス軍曹率いる第7歩兵連隊がこの任務につくことになる。堡橋頭を守り後から来る米軍とフランス軍の被害を減らす作戦である。大尉は全員の褒賞を約束する。さて一行がロバに弾薬を載せて出発すると途中仕掛けられた爆弾にやられる。堡橋頭に到着したのは重傷を負ったマーチネス軍曹以下アブデルカダ兵長、サイード、メスード、弟を失ったヤシールの五人になっていた。

  いよいよドイツ軍が静かに現れる。アブデルカダらの必死の攻撃で第一波の部隊を殲滅するがバズーカ砲持参の第二波部隊に撃破されてゆく。メスード、軍曹、サイード、ヤシールは戦死する。全滅かと思った直後にフランス軍が現れアブデルカダが生き延びる。大尉はアブデルカダとの約束も忘れさっさと進軍していった。呆気にとられるアブデルカダだが事情を知る住民達がパラパラと拍手を送ってくれた。

  60年後老人となったフランス在住のアブデルカダは墓地に佇み戦友を悼む。アルジェリアはすでに独立しフランス政府はアルジェリア人への軍人恩給を停止した。