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山田太一 ドラマ 香港明星迷 (2002)

     外資系婦人靴業界のバリバリの美人OLを薬師丸ひろ子が演じ、香港ロケと実在の香港スターのコンサートも絡ませるという実験的なドラマだった。だがストーリーとしては主人公が一人で失敗するというしょっぱい感じしか残らないものだった。 

    主人公の里美は営業の統括部長でありながら本社のデザインに異を唱え、有給休暇を使って自分のデザインの靴の中国本土の販路を模索するといういわば背信行為を行っていた。香港に行くにあたっては香港スターの追っかけを装い実際には現地の業者と接触したりしている。ところが支社長の放ったスパイにより行動がばれて最後は解雇されるという展開だ。 

   スパイ役にはベテラン室井滋を配している。存在感のある演技だったがスパイなのに本人に接触して行動を共にするというのは違和感があったし、ばれて開き直ると介護に苦しむ自分をアピールするなどそこだけシリアスな社会派ドラマになっていた。しかも主人公が中年男性と不倫していたという過去も出てくるし一体作者は主人公の生き方を推奨しているのか否定しているのかそのへんが曖昧だなと感じた。

   酒を呑んだくれて香港にくすぶっていた元恋人役の山崎務が最後に主人公を格好良くサポートするというのも何だか取って付けたような
展開に思えた。やっぱりこれは失敗作なのだろう。