映画 ボルサリーノ (1970)

  チンピラのシフレディ(アラン・ドロン)の出所風景から始まる。フランス映画はファッションがいやに決まっている。舞台は戦前のマルセイユでギャング団の暗闘がメインのストーリーである。もう一人の主人公カペラ(ジャン・ポール・べルモンド)とシフレディは女を巡って殴り合いになる。が意外にもこの事から二人の間に友情が芽生える。

  その後二人はギャング団の実行部隊として活動し出世街道を驀進する。出世街道といってもギャング団の首領を倒して自分達がその利権を受け継ぐという単純な話である。抗争に勝利しマルセイユの市場の利権を独占した二人は王侯貴族のような生活を手に入れる。マルセイユ警察との微妙な関係も描かれているが警察も事なかれ主義に徹している。これが事実なら相当腐った社会である。
  音楽はなかなか凝っていてシンセのクラビーアのようなピアノが印象的なテーマ音楽を奏でる。クラブで唄われるシャンソンも味わい深い本物である。テーマ音楽を劇中で楽団が演奏する場面、シフレディがメロディーをピアノで奏でる場面がありこのへんからこの映画に非現実感が漂ってくる。登場人物がテーマ音楽を知っているというのはミュージカル映画以外では初めて見た。劇からレビューに移行しますよという線引きのようにも見える。
  最後は二人の仲間割れという皮肉な結末になる。凶弾に倒れたカペラをシフレディが抱きしめる場面は劇場的な演出になっていてもう宝塚歌劇の一場面であると言っても過言ではないだろう。

 

 

 

 

 

MCーL1000 と PHーL1000

   DLー103から変更して聴いている。爽やかさが増し申し分ない。この音がもう10年早く実現すればとも思ったが、今年の1月にdualgateMOSのプリアンプ、7月にNUTUBEイコライザーが出来た事を思えば歴史の必然だったとも言える。これで針が擦り切れるまで聴いて後はDLー103に戻る事になる。

 

f:id:hohon77:20171030093910j:image

映画 シノーラ (1972)

  合衆国に編入されたニューメキシコ州にはメキシコ人入植者がいて村を作って住んでいた。第二の先住民ということになる。合衆国政府はサザンパシフィック鉄道を敷設し西部の開拓を進めていた。

  メキシコとの国境に近いシノーラという田舎の町で流れ者のキッド(クリント・イーストウッド)が呑んだくれて留置場にぶち込まれていた。翌日からキッドが懲役刑として広場の掃除をしている折に、チャーマ率いるメキシコ人の武装集団がオフィスを襲撃し自分達の土地を奪った権利書類を燃やしたうえ囚人を逃してしまう。判事も拉致しようとしたがキッドが阻止する。 

  すぐ自警団が組織されチャーマを追うがキッドは無関係の立場をとる。一報を聞いた地主のハーランが用心棒を引き連れて鉄道でシノーラにやって来る。ホテルの二階をフロアごと 借り切りキッドを呼び金で雇うと言う。キッドは一旦は断るが気が変わってハーランに同行する。途中チャーマの情婦ヘレンも連れ出しメキシコ人の村を襲撃する。ハーランは山に逃げているチャーマに降りてこないと翌日から村人を一人ずつ処刑すると呼びかけ朝を待つ。キッドは用済みとなり銃を取り上げられ幽閉される。

  翌朝になり村人が一列に並べられいよいよ処刑が行われようとする時キッドが物陰から皆を銃撃し撹乱する。混乱の隙にキッドはヘレンを連れてそのまま山へ向かう。山へ着くとチャーマがいた。チャーマは村人が死んでもかまわないと言うがキッドが判事の元に出頭しろと銃で脅すとチャーマは覚悟したのかキッドの言うことに従う。

  キッドらが町に入ろうとするとハーランが待ち受けておりメキシコ人が一人狙撃される。キッドらはその場から引き上げるが停車中の列車に乗り込むと機関車を動かして町に向かう。キッドは機関車で居酒屋に突っ込みハーランの手先を始末しハーランを追い詰める。法廷に逃れたハーランをキッドは判事の椅子に座り銃で仕留めて処刑するのである。

  この作品から当時の開拓地の雰囲気は感じ取れるが結局のところ実話とは程遠い西部劇である。悪い白人を設定しメキシコ人と良い白人が手を組んで倒す構図になっている。現実を想像すると白人は皆んな悪くメキシコ人も同じくらい悪い、法は白人に有利にできている、くらいの所だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6C33CーB アンプ計画 (34)

    オープンゲインが少ないので試しに一段追加した。

f:id:hohon77:20171028034004g:image

 f:id:hohon77:20171029002857g:image

   位相補正はこの方式が良さそうである。

f:id:hohon77:20171028034412g:image

 

f:id:hohon77:20171028034416g:image

   470Pまで増やすとピークは解消するが実機ではアイドリングを増すと発振する。1000Pまで増やしたが結果は同じだった。

 

 

 

 

エトルリア ローマ帝国に栄光を奪われた民族 ヴェルナー・ケラー著 坂本明美 訳(1990)

  紀元前8世紀頃に今のトスカナ地方に出現し12の都市群を建設、ティレニア海を支配した民族がエトルリア人である。特異な円形の陵墓が作られ多くは盗掘されたが残された墓からおびただしい副葬品が出土した。これらはチェルヴェテリとタルクィニアのエトルリア古墳として世界遺産に登録されている。

  今のローマを建設したのも彼らであるが(紀元前575年)やがてローマ帝国との抗争に敗れ紀元前40年にローマに吸収された。エトルリア人の残した書物エトルリア関係の著作はローマとキリスト教会により全て破棄され歴史からは消え去ったという。だが近年考古学による調査により全貌が明らかになりつつある。

  エトルリア文明の特色としては石でできた道路、アトリウム様式の住居、黒色陶器、青銅器、鉄器、フルート、ラッパなどの楽器、失われて現存しないエトルリア法典、 解読が進んでいないエトルリア語などがある。

  数々の戦争を行なっている。シラクサ艦隊、ギリシャ人、ケルト人、カルタゴ
、ローマと相見えて闘ったが最期はローマの軍事力に敗れ都市は破壊され廃墟となりほとんどは地中深く埋まっているという。

  著者はドイツ人で司法書士を経て出版業を営み独自の研究により本書を執筆した。不思議なくらい詳しく書かれている。エトルリア関連所蔵品はベルリンのペルガモン博物館に数多く置かれているという。