映画 麦の穂をゆらす風 (2006)

 アイルランドコーク県におけるアイルランド独立運動の物語で、独立派組織と英国軍のやりとりが、かなりリアルに描かれている。残虐なシーンが多いが、映画なのでこれでも自粛しているはずである。隣に強大で悪辣な国が存在すればまあこんなもんだろうと思う。その反面恩恵もあり、国民の教育、文化レベルが高くなっている。平和時の経済発展に有利な条件である。儒教とは無縁なので民主主義的な考え方がやはり我々とは違う。そのためアイルランドには独立して民主国家を運営してゆく素質は十分あると思う。

 主人公のデミアンはロンドンの病院で働くことになっていたが、結局組織に加わり武力闘争に手を染める。抵抗運動は一定の成功を収めるが、仲間達の多くは死に、主人公も皮肉な最期を迎えるのである。