前略おふくろ様 II 第12回 (1977)

枕の寸劇では新年を迎えたサブが餅を焼きながら母に年賀状の返事を書いている。30日まで働いていたので切符も取れず帰れなかったと詫びる。だが兄の年賀状によれば母のボケ具合はひどくなっているらしい。

川波の朝の光景。板前たちが作った御節料理を囲んで味見をしている。女将さんによると海ちゃんを見初めたという人がいてお見合いを設定したいという。大学教授の松岡氏のお弟子さんだと言う。サブが海ちゃんに話すとたいそう乗り気である。さてどうなる事やら。

利夫が出初め式の練習で梯子から落ちて入院したという。病院を訪れたサブは面会できずに半妻に追い返される。建前上利夫は盲腸という事になっている。その夜赤提灯でサブと半妻が一杯やる。半妻が頭を掻きながらここ11日ばかり妻の生理がないのだと言う。何か責任を感じると言う。どこか嬉しそうな表情を見せる。男なら東大、女なら白百合か雙葉を狙わすと言う。サブに名付け親を依頼する。

アパートに帰り海ちゃんに声をかけると何だか沈んでいる。次の日の朝、松岡氏急病のためお見合いが急きょキャンセルとなった。サブが海ちゃんに知らせようとすると海ちゃんは逃げていた。叔父さんの相手の花恵がサブのアパートを訪ねてくる。昨日叔父さんと海ちゃんが大喧嘩して親子の縁を切るまでになったと言う。その原因は自分と叔父さんの間に子供ができたためだと言う。サブがお茶を入れると飲まずにそそくさと帰っていった。

今度は女将さんがやってきて急病の松岡氏を訪ねろと言う。中央証券の片島三郎と名乗り菓子折を渡すと松岡氏はピンピンしており大慌てでサブを喫茶店に連れて行く。急病は嘘でありサブに言い訳する。菓子折には手紙が入っておりそれを読んだ松岡氏は呆然とする。二人は相談し病状は腹痛と発熱という事にする。

叔父さんが夜やってきて屋台で一杯やる。サブが海ちゃんの事を花恵さんから聞いたと言う。サブの長々とした話を聴いた叔父さんはおもむろに語り出す。自分は50の誕生日に考えが変わったのだと言う。妻より長生きして妻を看取ろうと思うようになった。自分は海ちゃんに勘当されたんだと言う。何だかよく分からない。結構適当に生きている人なんだと思う。

サブは訪問の結果を女将さんに報告する。その晩海ちゃんは帰ってこなかった。