前略おふくろ様 II 最終回 (1977)

母の死の二週間後サブは新しい店の経営者と面談する。秀さんも立ち会っている。4月10日から仙台で働く事に決まった。

4月1日このことが川波で発表される。皆んなエッと驚く。ちょっとこじれているのは女将さんである。分田上の女将の仲介なのが気に入らないらしい。筋を通すため女将に謝りに行くサブ。女将さんは気にしないと言いながらチクチク攻撃する。利夫と海ちゃんが婚約したという急報が入る。サブが海ちゃんに聞くと冗談じゃないわと言う。一体何処から出た話なのか。今日はエイプリルフールだが。

サブの後釜が紹介される。北海道から来た夕介(岩城滉一)という青年である。サブが出るまでの間サブの部屋に夕介を寝泊まりさせるよう女将さんから頼まれる。女将さんの意地悪が炸裂したようだ。その夜赤提灯に利夫が呼び出されみんなの前で半妻に責められる。利夫は口ごもりながら海ちゃんを怒らせて絶交されたと言う。デマを流した理由は言わなかった。サブはこれは利夫に生じた奇妙な衝動だろうと推測した。

サブはタヌ子と会う。タヌ子は気にしないでと言う。結婚を前提に付き合いたいとサブは前回言ったのだがタヌ子はしばらく私に構わないで仕事に集中してと言う。私も海ちゃんと同じ過去があると告白した。

海ちゃんと夕介が付き合っているという噂が立つ。サブはもうやけくそでどうでもいいという心境になるが鳶の連中が夕介を殴って海ちゃんを連れて行く。海ちゃんはこの人たち暴力的で最悪と喚いているが利夫がビンタする。利夫はこの間のエイプリルフールの事を語り出す。自分は海ちゃんに相応しくないとわかっている。自分はここで何十年経っても海ちゃんの事を想っている。という感じで口説いている。半妻はわかったそれ以上言うなと感動した様だった。今だとストーカー宣言だが当時だと純愛になるのだろう。年をとったらみんなで再会しようなと言う感じになる。

かすみちゃんから手紙が届いていた。それにはサブとかすみちゃんがたどり着けなかった彼岸の事が書いてあった。この手紙と青春の思い出を胸にサブは深川を去る。ボストンバッグ片手にサブは上野駅に入って行った。