映画 ハウス (1977)

世に出るのがなんだかんだで遅かったような気がする。大林宣彦監督のポップ風なスリラー映画である。(観る者とのミスマッチにより)あんまり伝わってくるものが無かったが、ストーリーとは関係ないところで西洋風の顔立ちの女優さんがでてくるのである。しかもイメージフィルムとなっていて美貌が強調された映像となっている。『さびしんぼう』でも秋川リサが唐突な感じで出てくるので、大林宣彦監督の究極の理想は実はこれでは無いのかと憶測されるのである。

さてこの映画は酷評されながらも若い世代の支持を受けたとされる。海外のものでも類例がないのでは無いだろうか。荒唐無稽さで言えば『キャンディ』(1968)があるが、こちらは正真正銘のフラワームーブメントの映画であり、感銘をうけるくらいのものがあった。邦画では『1999年の夏休み』(1988)と幾分雰囲気が似ていると思うが、こちらは精密にできていて完成度が高いと思う。『ハウス』はなんだかんだで作りが大雑把なのである。