映画 精神 (2008)

 精神科クリニック、コーラル岡山を取材したドキュメンタリー。テレビとは違って、観察者がずいぶん対象に溶け込んでいる感じがする。監督兼カメラマンの想田和弘氏が患者に溶け込むのが上手なのだろう。診察風景から始まり、待合室、患者さん、ショートステイ、訪問、スタッフと撮影対象が移り変わってゆく。行政、補助関係も視野に入ってくる。全体像が大まかにわかるという感じで、何かに対する主張があるわけではない。患者さんは結構饒舌で、頭が良く回るし、傑物っぽい人もいる。山本医師に密着してクローズアップしたものでは無い。2時間15分の長い本編の後に、監督と山本医師の対談がついているのも秀逸である。