金田式無帰還イコライザー (6)

メンデルスゾーンバイオリン協奏曲(フルート版)、デビッド・シャロン指揮シュツットガルト放送交響楽団アンドラス・アドルジャン(フルート)

 

  ポピュラーなわかりやすい曲なのでただ聞いていれば終わりまで導いてくれる。フルートの音色と技巧のせいで曲調がハンガリー田園風に変貌する。フルートとオーケストラが良くからみ合う。この盤はナクソスの定額サービスのOrfeoのライブラリーに無かった。ちょっと稀少な曲である。B面にはSpohrのバイオリン協奏曲第8番が収録されている。

 

④ストラビンスキー 火の鳥、ウォルフガング・サバリッシュ指揮ウィーン交響楽団

 

  ストラビンスキーの創作の秘密を探るためストラビンスキー自伝を求めて国会図書館に足を運んだことがある。これによると彼はピアノの演奏と対位法を徹底的に学んだという。ピアノは音響のシミュレーターのように使ったという。ついでに電波科学の記事も閲覧した。

  火の鳥は革命的なバレエ音楽でありながら管弦楽曲としても素晴らしい作品である。そういえばシェフィールドのダイレクトカッティング盤も持っていた。後で聴いてみよう。この盤は色彩感覚ゆたかで中庸を行く演奏と思う。B面のピアノ版の方をPRAー2000で聴くと強靭で広大なダイナミックレンジが楽しめる。

 

ブラームス ドイツレクイエム、ウォルフガング・サバリッシュ指揮バイエルン放送交響楽団

 

  これはレクイエムの名があるがモーツアルトフォーレのそれとは異なり、長大なドイツ風カンタータまたはオラトリオであると言える。

Chor
Chor
Bariton
Chor
Soprano
Bariton
Chor

  という構成となっている。コラールはマタイ受難曲を少々意識しているようだが管弦楽は別物でなかなか素晴らしいものがある。レシタティーヴォが無い様に見える。金田式だとホルンと弦楽の溶け合うさまがみごとに再現されダイナミックさもある。後でPRAー2000でも聴いてみたが透明感もこちらが優れていると感じた。この二枚組LPにはハイドンの主題による変奏曲も収録されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金田式無帰還イコライザー (5)

RAVEL・MELODIES・LIEDER、ディートリッヒ・フィッシャーディスカウ(独唱)、Hartmut Holl (ピアノ)

 

  大枚叩いてもやっぱりどこか音が悪いと言うのが高級オーディオの世界である。長岡式はその点安く済んで良いのだがPRAー2000のフラットアンプが弱点だった様だ。もっさりとして埃っぽい音なのである。ここを回避すると良い音になるので長岡氏は暫くは自作のアッテネータで代用していたがその後アキュフェーズの超高級プリに移行している。僕も最近までLPを聴いて音がいいなと思ったことはあまりなかったのだがDUALGATE MOSFET ラインアンプをシステムに入れてから俄然変身し何を聴いても最高の音と思える様になった。まあ後はコレクションの音源を聴いて行けばオーディオの趣味は完結する。

  さてこの盤に収録されている曲は以下の通りである。

 

暗く果てしない眠り(Un grand sommeil noir
クレマン・マロのエピグラム(2 Épigrammes de Clément Marot)
博物誌(Histories naturelles)
  くじゃく(Le paon)
  こおろぎ(Le grillon)
  白鳥(Le cygne)
  かわせみ(Le martin-pêcheur)
  ほろほろ鳥(La pintade)

5つのギリシア民謡 (Cinq melodies populaire Grecques)
4つの民謡集(Chants populaires)
ロンサール、その魂に寄せて(Ronsard a son ame)
夢 (Reve)

ドゥルシネア姫に思いを寄せるドン・キホーテ (Don Quichotte a Dulcinee)

 

   題材は面白いがフォーレほどサン=サーンスほどメロディーを作る才能が無かったのが悲しい。マザーグースレベルの曲も混じっている。オーディオ的には楽しい。フィッシャー・ディスカウの円熟の表現力に負けず劣らずイコライザーの表現力も凄いのである。

 

 

 

 

 

金田式無帰還イコライザー (4)

①ラベル ピアノとバイオリンのための作品集、Dmitry Sitkovetsky(Vn)Bella Davidovich (P)

  ラベルのバイオリンソナタは二作ありまず1897年の方を聴いてみた。この盤には二つのソナタとツィガーヌ、フォーレの名による子守唄が収録されている。


  バイオリンの音が静寂から立ち上がってくる。言うまでもなくSN比が有利なのはパワーアンプでありカタログ上120dB位のスペックは普通である。このシステムはイコライザー、ラインともバッテリー式なので誘導ノイズが無ければ静寂そのものと云っていい。幸いハムもラジオも聴こえてこない。

  音色が良くコントロールされた実在感のあるバイオリンに湧き上がる様なピアノの響きが加わる。ピアノの方は余韻たっぷりで鋭さは控えめである。メロディーはバスク地方特有の鄙びたものだが和声はドビュッシーのものが剽窃とまではいかないが多用され音楽が流れる様に進んで行く。バイオリンのハーモニクス奏法も軽やかに決まっている。どうやらここまでのところはっきりくっきり系の音であるのがわかる。

  聴いていて嫌な部分は全くなく音楽に集中できる。音像はナチュラルと云って良くあまり拡がらず実在感がある。音の粒子がエコー空間を埋め尽くすとか音がキラキラ輝くという事はない。素っ気ないが何処までも細かく分解するという鳴り方である。クラシックを聴くのにこれ程適したイコライザーはまだ殆ど世に出ていないだろうと自画自賛した。

 

 

 

 

金田式 無帰還イコライザーアンプ(3)

本機の音
試聴はDLー103、KPー9010、本機イコライザー、バッテリー式DUALGATE MOSFET ラインアンプ、HMAー9500II、長岡式バックロード(FEー203、5HH10)で行った。

聴き始めて気づいたのは音像がスピーカー周囲に留まり楽器の遠近感が出てくる事だ。音場が広大に感じる今までの機器とは全く違う鳴り方である。音質は爽やかで情報量は極めて多い方であると言える。  

①ラベル ピアノとバイオリンのための作品集、Dmitry Sitkovetsky(Vn)Bella Davidovich (P)

RAVEL・MELODIES・LIEDER、ディートリッヒ・フィッシャーディスカウ(独唱)、Hartmut Holl (ピアノ)

メンデルスゾーンバイオリン協奏曲フルート版、デビッド・シャロン指揮シュツットガルト放送交響楽団アンドラス・アドルジャン(フルート)

④ストラビンスキー 火の鳥、ウォルフガング・サバリッシュ指揮ウィーン交響楽団

ブラームス ドイツレクイエム、ウォルフガング・サバリッシュ指揮バイエルン放送交響楽団

  すべて外盤LPである。聴くのに一週間はかかるだろう。

 

 

 

辺境二元論

  辺境萌え歴うん十年の経験からすると辺境には①人々がへばりついている辺境と②国立公園のような辺境があることがわかってくる。 ①として挙げられるのはシルクロードパミール高原シベリア高地、中国湖南省張家界、パキスタン辺境などがあり②としてはアラスカ、ニュージーランドなどがある。よく考えるとどちらもろくなものではない。

  ②のほうは一見きれいだが先住民から奪った土地を先進国が管理しているという構図がある。①のほうは長い歴史的変遷を持つが今は大抵ヨレヨレの状態にあると言える。中には石油が出て都市化したり観光地化した所もいくつかあるがそれはそれで興醒めである。

  結局どこにだって辺境はあり元は同じであると考えると殺戮の歴史が少ない日本の辺境を訪れたり、タモリのように心の目で辺境時代の関東地方を透視することで辺境萌えの修行をするのが良いと云う事になる。

 

 

   

    

 

金田式無帰還イコライザーアンプ(2)

   残りのchを同じ部品で組んでみたら発振したのでいつものC2120、A950にしたらうまく行った。オフセットが数mV出るので出力をCでカットした。

 

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   最初は特異な音で驚いたが、聴き込んで行くと静かでたなびくような音も出るようになった。