2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

映画 おしゃれ泥棒 (1966)

大人向けの良質なコメディー映画を観た。美術コレクターの世界が舞台で、車、ファッションなど目を惹くアイテムが登場する。主演のオードリー・ヘプバーンは快活で聡明な役どころを演じている。ジャガーEタイプに乗り、ホテルリッツに泊まっているというハ…

岩波文庫 方法序説 (2)

時間があるので巻末の注釈を読んだり、本文を読み返していると重要なポイントが浮かび上がってくる。 《ところで私は、これほどに重要不可欠な学問の探求に全生涯を当てようと企て、わたしの見出した道が、人生の短さと実験の不足とによって妨げられさえしな…

ミケランジェリのドビュッシー

前奏曲集Vol 1 のLPを聴いている。澄み渡るようなピアノの響きが部屋に充満する。 1978年の録音で今はCDで発売されている。故吉田秀和氏がラジオでこう言っていた。 《今聴いたのは云々。今度はミケランジェーリのピアノ独奏による同じ曲のCDを聴きましょう…

映画 天国の約束 (1995)

イタリア系アメリカ人3世のジェンナーロと祖父の物語である。1933年8月26日に12歳のジェンナーロに起こった出来事を映画にしたもので、とても目まぐるしい1日だったが、メインのテーマとしてはアル・パチーノ演ずる祖父の最期が挙げられる。余命幾ばくかの時…

キエフの大門

音符の入力中は音楽が聴けないのでテレフォン人生相談などを聴きながら作業することが多い。最近またレコードを聴き始めたので1枚紹介する。 40歳の頃集めていた外盤レコードである。グラモフォンは設立123年くらいになるだろう。プリアンプが素晴らしいの…

映画 銀座化粧 (1951)

成瀬巳喜男監督の晩年の作品である。田中絹代が銀座のクラブ『ベルミー』のホステス雪子を演じている。明るく働く仕事の様子、家庭の事情、婚活の失敗までが描かれる。川沿いの下町に住む雪子には6歳の男の子がいて、この子は科学者を目指しているという。ク…

岩波文庫 死に至る病 (1849)

デンマークの実存主義哲学者キルケゴールの著作である。少し引用するとよくわかるが、死と絶望の語句をもてあそんでいるように見える。(p32) 《さてこの究極の意味において絶望は死に至る病である。ーー自己のうちなるこの病によって我々は永遠に死ななけ…

映画 監禁ハイウェイ (2009)

つかみでは若いカップルが揉めているので、若い時はまあしょうがないと思いながら見ていると、だんだんホラー度が増して行く。サービスエリアでガードマンが棒で殺されたところから一気に追跡が無謀な感じがしてくる。相手は黒い組織なのか。若者のゼイクス…

映画 ニライカナイからの手紙 (2005)

オリジナル脚本による熊澤尚人監督の日本映画である。主演の蒼井優が表には出さないが何か含むような、それでいて思春期特有の振る舞いを自然に演じているのが印象的だった。ドキュメンタリーと錯覚させるような演出もあり、地元の祭りの踊りもちゃんと収録…

映画 ミザリー (1990)

売れっ子の作家ポール・シェルダンは新作の小説を書き上げると原稿をカバンに入れコロラドの山中から車で町へ向かう。折しも吹雪が吹き荒れポールの車は崖から転落する。もし後続車が無ければこのまま凍死していた筈だが、ポールの後をつけていた熱烈なファ…

映画 ジェイン・オースティンの「説得」 (2007)

ジェイン・オースティン原作の小説を映像化したもので96分のテレビ映画である。監督はエイドリアン・シェアゴールド、アンの役をサリー・ホーキンスが演じている。 描かれているのはイギリス貴族社会のありふれた日常に過ぎないが、舞台となる邸宅や広い敷地…

Symphony Pro6 (22)

一日ウン時間楽譜を入力し、シベリウスも毎日立ち上げて音源を作っている。シベリウスは一年間のサブスプリクションだが、一年もやればかなりの曲がものになるだろう。 さてワーグナーの序曲は長いので踏み込めなかったがタンホイザーをやる事にした。特にメ…