ポール・マッカートニー:ゴーイング・アンダーグラウンド(2013)

 これも2時間35分もある大作で見応えがあった。

 英国における1960年代のアンダーグランド運動を解説したもので、文学、音楽の分野だけでなく、政治的な側面を持つものであった。その中心はロンドンの書店、ライブハウスであり、ピンクフロイドソフト・マシーンというバンドが育っていった。ここで生まれたサイケデリックLSDなどはその運動の中心部にいたポール・マッカートニーが咀嚼、吸収して芸術レベルの作品を作るに至ったのである。それがトゥモロー・ネバー・ノウズである。

 解説に出てくる人たちも当時の中心人物であり、的確な論評をおこなっているように見受けられた。ジョン・レノンに決定的な影響を与えたヨーコ・オノも正しく評価されている。そして生まれたのがレヴォリューション9である。