東洋文庫 エリノア・ラティモア著 トルキスタンの再会 (1927)

  1895年生まれのエリノア・ラティモアは裕福な家庭に育ちノースウェスタン大学を卒業した後教鞭をとる。第一次大戦のころYWCAに参加し乗馬、テント、キャンプ用具の運搬法を身に付け旅行家としてのキャリアを開始する。仕事で北京に滞在中、夫となるオーウェンと出会うことになる。オーウェンラティモアは中国学の学者で二人の新婚旅行を書いたものがこの本である。二人は内モンゴルのフフホトで別れウルムチで再会したのちトルキスタンを抜けレーに至った。レーに着くともうそこは文明と観光客がいる世界でもう楽しみは終わったと書いている。

 

①食料と水の確保
②移動手段
③暇つぶしの手段
④外敵の防御
⑤住居
⑥安全な子育て、医療
⑦自然災害対策
⑧生産性の向上
⑨征服による富の簒奪
⑩国際平和機構

 

   どうやらこの人達は何も無いところを移動する①〜③が大好きなのであって、旅行で訪れる集落や古い町に見られる④〜⑤も好きらしい。だが文明のある所に着くと途端にがっかりするのである。レーも結構秘境だが観光客によって単なる観光地に堕落してしまっているのである。