東芝日曜劇場の一作でお見合いをテーマにしたホームドラマである。連城三紀彦氏の短編小説を脚色して石井ふく子プロデューサーが制作した。
泉ピン子扮する駅販売員と矢崎滋扮する駅員との間で生ずる、よくある恋愛エピソードに大学教授とのお見合い事案が絡んでくる。ベタな展開だが途中から何だか重い雰囲気になり、重いまま終わる。
35才という設定の泉ピン子は考えながら演技しているように見えた。うつろな表情とかワンテンポの遅れとか微妙に感じられ、これは名演技とはいえないだろう。その他の出演者、矢崎滋、東てる美、山本亘、栗田陽子、麻ミナ、長谷川哲夫、岡本信人、白鳥恒視、加賀谷純一、松村達雄の演技は大変達者だったように思う。