吉田秀和 名曲のたのしみ 2012年2月4日放送分

今日はラフマニノフの第13番目の放送の日になります。ラフマニノフはシンフォニー、3曲書きました。その第1番は1895年、22歳の時ですがその二年の後に初演がありました。そこでさんざん酷い声を浴びせられたので心に深い痛手をこうむってしまいまして暫くは作曲に手がつかなかったという話。今日これから聴くのは第2番のシンフォニーですけれどもこれはそれから12年のちの1907年の作品です。その間に心の痛手も癒えたんでしょうかねえ、ピアノコンチェルト第2番のような秀れた大作を書き、それで高い人気を得ただけじゃなくグリンカ賞というのも獲得致しまして立ち直ったんでしょう。引き続きこれから聴く第2番のシンフォニーを書くことになります。でこれでもまたグリンカ賞をもらいましてますます自信を深めてゆく。34歳の時です。これはやっぱりラフマニノフの得意の20世紀の音楽とは思えない位のロマンチックな情緒がいっぱい漲った音楽ですけれども。しかし細かい点で見ると色々と新機軸の工夫もありましてね単に19世紀ばりの美しく耽美的な音楽とだけ割り切るのも少し出来ないようなところがあると思います。といってもなにしろこの音楽の最大の魅力は聴く人を陶酔の境に引きずり込まないではいかないようなそういう性格ですねえ。(ダニエフ?)プレトニェフ指揮のロシアナショナルオーケストラの演奏で初めからお終いまでずっと続けて聴くことに致しましょう。~音楽~

今聴いたのは第2シンフォニー。時間がまだ少し残っているので作品14の8「ああ悲しまないで」という歌、これ聴きましょう。これもエリザベート・ゼーダーシュトレーム のソプラノ独唱、ヴラディーミル・アシュケナージのピアノで聴きましょう。〜音楽〜

今日は今聴いた云々、その前に云々を聴きました。それじゃ又来週。さよなら。