映画 乱気流 (1997)

ロサンゼルスに飛行機で護送される事になった連続殺人犯ライアンは非常に巧みな方法で刑事を全部殺し、間の悪い事に機長、副操縦士も騒動に巻き込まれて死んでしまう。機内はライアンの天下になってしまったがどのみち死刑になるなら言いたい事を世間にぶちまけてロスの市街地にでも墜落させる事を考えている。さて五人ほど同乗していた乗客を始末するとお気に入りの客室乗務員テリーと自分を毛嫌いしたマギーだけが機内に残された。飛行機は自動操縦になっており目的地まで飛んで行くが行く手には大型の低気圧が迫っているという状況である。

鳥を殺しネコを殺し人間を殺してきたというライアンは気に入らないマギーを問い詰めながら絞殺する。お気に入りのテリーと最後の時間を楽しもうと会話で心をコントロールしようとするが恐怖に引きつったテリーは操縦室に逃げ込み扉をロックして無線でロス空港への自動着陸のセッティングを試みる。立場が逆転したライアンは突然猫なで声になり同僚のマギーが重症だと言い出て来るよう呼びかける。止せばいいのに救急箱を持って操縦室を出たテリーを待っていたのはクリスマスのイルミネーションが輝き死体が席に座っているというホラーの館さながらの機内であった。ライアンは座席からテリーに明るく呼びかける。逃げるテリーを笑いながら追いかけるライアン。その時乱気流に突入した機体は激しく上下し逆さまに飛行する。二人は機内を転げまわる。運良くライアンを殴り倒したテリーは再び操縦室に籠り指示を受ける。

ライアンは今度は煙で燻り出す方法を考える。たまらなくなったテリーは火を消しに出て来る。この後もいろいろあるのだが追尾していたF14に機を海上で撃墜する様命令がとうとう下るのである。折角ライアンを始末し、いよいよ助かると思った矢先にである。テリーはファックユーと呟くが発射されたミサイルは車輪に絡まったトラックを破壊しただけでその後飛行機は無事に空港に着陸する。FBIとロス市警はちょっとあれだったが空軍パイロットはヒューマニストだったというオチである。