若くは無いが有能な探偵ウェルズ(ニコラス・ケイジ)に大富豪の未亡人から仕事の依頼が来る。夫の遺品を整理したところ殺人の一部始終が収められている8mmフィルムが出てきたので調査して欲しいというものだった。手がかりは殺されている少女と覆面の男である。行方不明者ファイルから少女の身元を割り出したウェルズは少女の実家を訪ね隠してあった日記を発見する。それには男と駆け落ちしてハリウッドの女優を目指すから安心してと書いてあった。その男の実家へ行くと果たして男は刑務所に入っていて少女とはすぐ別れたと言う。手掛かりは殆ど無くなった。
ウェルズはロサンゼルスに飛びアンダーグラウンドのポルノショップを調査する。店員は覆面の男の名を知っていた。店員の手引きでディーノという監督に会うことができた。ウェルズは物怖じせずに監督に猟奇映画の製作を依頼する。高い報酬を提示すると監督はにんまりしてウェルズの立会いと覆面の男の出演の条件を飲んでくれた。
さて撮影当日現場を訪れると店員が縛られておりウェルズは捕らえられる。このグループとグルだった依頼人の弁護士が密告したのだ。いよいよウェルズが処分される瞬間あの映画の依頼金が100万ドルだった事を叫ぶ。100万ドル?と監督は反応し弁護士の方を見る。中抜きした事がバレた弁護士はピストルを出してこの場を逃れようとするが監督と相打ちとなり両者は死亡する。ウェルズは隙を見てピストルを拾うと覆面の男の腹を刺し手錠を切り逃げ出す。
家族を避難させたウェルズはいよいよ覆面の男を殺しに行く。もう一人のスタッフは既に焼き殺している。どうしてこうなったのか。どこかでウェルズにスイッチが入った訳だが理由付けは弱い。ウェルズは警察のふりをして病院に電話をかけ腹を刺された救急患者の有無を調べる。住所が判明すると男の家に地下室から忍び込みとうとう格闘になる。何とか倒して男を病院の前に放り出す。
一財産できたウェルズはのどかな田舎で家族と暮らしている。少女の母から生活が立ち直ったというお礼の手紙が届く。未亡人は真実を知ると遺産を少女の母に分けて自殺したのである。
なかなかの名作だが主人公の手際が良すぎる感じがする。テーマはお金と権力のとんでもない力である。現実の世界では悪の力の方が優勢なので闇に消えた事件は多いと考えられる。