岩波文庫 存在と時間 (2)

P213 《哲学の根本問題である存在は、存在者がぞくするいかなる類でもないが、存在はそれでもなおそれぞれの存在者にかかわってっている。(略)存在とは端的に超越概念なのである。》

何か核心に触れた感じがする文章だが、言い切っているわりには言葉が足りない。僭越ながら大意を補ってみる。

コップの存在とコップを認識した存在者があるとすると、そのコップでコーヒーを飲んだ時コップが存在し、コップを投げた時はそれはコップでは無いという文脈において、何か議論がなされるとすれば、両者のカテゴリーが若干違っているというだけに過ぎない。存在者の行動如何によってコップが存在しなくなると言うのは詭弁である。

この辺は現象学における諸問題に関連しているのでもう少し現象学について調べる必要がある。